・増加するMROニーズに対応、月産15台への増産が可能に
・現工場の作業エリアを2割拡張し、将来的には生産量を3倍に増強
・ベストセラー機A320シリーズ搭載「V2500」「PW1100G-JM」エンジンのMROに対応
三菱重工グループの三菱重工航空エンジン(MHIAEL、愛知県小牧市)は3月7日、世界中で増加するMRO(Maintenance,Repair & Overhaul:修理・整備)ニーズに応えるため、愛知県小牧市にある航空エンジン整備工場の拡張工事を完工したと発表した。これにより、民間航空エンジンの整備台数を現状の月産5~6台から2026年までに月産10台以上、将来的には現在の3倍となる15台へ増産する計画。
今回の工事では、建築面積約1万1,600m²の現工場から、延床面積を約2,500m²増床し、作業エリアを2割拡張した。同工場では、ボーイング747搭載「PW4000」やエアバスA320搭載「V2500」といった既存エンジンに加え、最新鋭のベストセラー機であるエアバスA320neo搭載「PW1100G-JM」エンジンの整備も実施します。
工場拡張に伴い、既存エリアにはエンジン分解・組立・検査などの人手作業を集約し、増築エリアにはバランス作業や研削などを行う最新鋭の大型設備を集約することで効率的な整備エリアを実現。また、限られた敷地面積を最大限に生かすべく、増築部分の2階部分は部品を揃えるキット作業に特化するなど、増築エリアと既存エリアを有効利用することで、将来的に月産15台を目指す。
MHIAELは1993年にPW4000エンジンのMRO事業を開始し、これまで900台を超える同型エンジンとそのモジュール(構成部品)の整備を実施してきた。エアバス社が今後A320neoの段階的な増産を計画していることから、同機に搭載されるPW1100G-JMの運航台数とそのMRO需要は今後数年間で倍増する見通し。
旺盛な需要と世界中の顧客の安全かつ経済的な航空エンジンの運用ニーズに応えるべく、MHIAELでは、教育訓練体制や厳格な品質保証体制の構築、新たな整備技術の開発・適用によるスマートファクトリー化を推進している。また、MRO事業のほかに燃焼器や低圧タービンを中心とした航空エンジン部品の生産も行っており、愛知県小牧市と長崎県長崎市の2拠点体制で部品の増産に対応中。
三菱重工グループは、世界の民間航空機用エンジンの長期的な需要増を見据えた事業拡大と生産体制整備を進めており、今回の工場拡張計画もこうした取り組みの一環。三菱重工は今後も、MHIAELと緊密に連携しながら航空エンジンの開発・製造・アフターサービスにおける技術力・信頼性の向上ならびに生産能力の拡充に努め、日本における航空機産業の発展に貢献していく。
<MHIAEL航空エンジン整備工場の概要>
所在地:三菱重工業株式会社 名古屋誘導推進システム製作所内(愛知県小牧市大字東田中1200番地)
構造:鉄骨造 一部3階建て(2階層構造)
建築面積:現在/約1万1,600m²、 増築部/約1,600m²
延床面積:現在/約3万2,100m²、 増築部/約2,500m²
■三菱重工グループについて
三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。
ニュースリリース
*リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。
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