三菱化工機、カーボンリサイクル試験高炉向けに水素製造装置HyGeia-Aを7基受注

・JFEスチールのグリーンイノベーション基金事業/ 製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト

 三菱化工機(川崎市)は2月28日、JFEスチールより、小型オンサイト水素製造装置「HyGeia(ハイジェイア)-A」を7基受注したと発表した。

 今回の受注は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の 「グリーンイノベーション基金事業※ 1 /製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」の「外部水素や高炉排ガスに 含まれるCO2 を活用した低炭素化技術等の開発」においてJFEスチールが採択されたこと によるもの。

 鉄鋼業はあらゆる産業の基盤の役割を果たすものだが、現在、その製造過程で排出されるCO2 は日本の産 業部門全体の 40%を占めており、大きな課題となっている。JFEスチールでは、高炉から発生する排ガスに含 まれるCO2 を水素を用いてメタンに変換し、還元材として高炉で利用することでカーボンを繰り返し利用するカー ボンリサイクル高炉などの開発により、製鉄プロセスからのCO2 排出を50%以上削減することを目指している。今回、このメタネーション反応で使用する水素を三菱化工機が今回受注したHyGeia-Aで製造する。

 三菱化工機は、1964年に天然ガス等を原料とする水素製造装置の国内1号機を手掛けて以来、約60年にわたる納入 実績を誇っている。今回受注したHyGeia-Aは、13A都市ガス(天然ガス)やLPGを原料に水蒸気改質法で高純 度(99.999vol.%以上)の水素ガスを製造する設備で、高性能と省スペースが特長であり、水素ステーション用途や 産業用途を中心に数多く採用されている。これらの実績により培った知見を活かして同事業を支援していく。

 今後も三菱化工機は、水素関連技術を通じてクリーンエネルギーの促進に努め、さらに水素サプライチェーンに係る製 品の開発を推進することにより、水素社会の実現とその先にあるカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。

※1グリーンイノベーション基金事業: 「2050年カーボンニュートラル」に向けてエネルギー・産業部門の構造転換や,大胆な投資によるイノベーションといった現行の取り組みを 大幅に加速するため、NEDOに2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む 企業等に対して、最長10年間、研究開発・実証から社会実装までを継続して支援する基金制度。 グリーン成長戦略において実行計画を策定している重点分野を中心に支援が行われる。グリーンイノベーション基金事業の詳細は、こ ちらのWebサイトを参照:https://green-innovation.nedo.go.jp/feature/to-business/

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