日立建機、南アフリカでコンストラクション製品向けの部品再生を開始

・部品再生事業を強化し、環境負荷低減と循環型社会の実現に貢献

 日立建機は2月24日、南アフリカ共和国の販売・サービス拠点である「日立建機南部アフリカ」において、2023年3月より中・大型油圧ショベル、中型ホイールローダなどコンストラクション製品向けの再生部品の生産を開始すると発表した。

 2012年からザンビア共和国において取り組んでいるマイニング製品の部品再生に加えて、コンストラクション製品にも対象を広げることで、南部アフリカ地域での部品再生事業を強化する。また、これまで以上にCO2と産業廃棄物の排出を抑制し、環境負荷の低減と循環型社会の実現に貢献する。

 南アフリカ共和国の顧客は、保証付きの再生部品を購入できるようになり、部品調達のコストを抑えることができる。再生部品が南アフリカ共和国内で供給されるため、納入までのリードタイムや輸送コストも圧縮される。また、再生部品の供給は、順次、周辺諸国の顧客向けにも展開していく計画。

 日立建機の機械を保有する顧客は、現場の安全性や生産性の向上、保有機械のライフサイクルコストの低減などの課題を抱えている。加えて、市場の変化により、顧客が機械の稼働を維持するためのオペレーティングコストも上昇している。

 そのような課題を解決する取り組みの一つとして、日立建機グループは「部品再生事業」を展開している。具体的には、顧客が使用している機械から、油圧シリンダや油圧ポンプなどの純正部品を回収し、工場で適切に分解・整備したうえで、新品部品と同等の性能を付与した再生部品を提供している。

 現在、南部アフリカ地域では、ザンビア共和国において日立建機ザンビアとH-E Parts社が協業して、超大型油圧ショベルやダンプトラックといったマイニング製品向けの部品再生を行っている。

 次の段階として、南部アフリカ地域においてコンストラクション製品の最大市場である南アフリカ共和国に位置する、日立建機南部アフリカの同社敷地内に、コンストラクション製品向けの部品再生に必要な設備を導入した。同じ設備を活用して、超大型油圧ショベルやダンプトラックの保守メンテナンス、油圧機器やコンポーネントなどの修理も行う計画。他の国や地域から南アフリカ共和国に部品を供給する場合、リードタイムや輸送コストが長大になることから、南アフリカ共和国での部品の再生や修理を行う体制の構築が必要だった。

 日立建機グループは、これからも部品再生事業をはじめとするバリューチェーン事業の深化を進め、環境負荷低減と循環型社会の実現に貢献するとともに、今後も、顧客の課題である「安全性向上」「生産性向上」「ライフサイクルコスト低減」の解決に寄与していく。

<日立建機南部アフリカ 部品再生エリア概要>
所在地:Cnr Paul Smit and Solomon Jefferson Mahlangu Road Boksburg North, Johannesburg, Gauteng, South Africa(南アフリカ共和国ヨハネスブルグ、日立建機南部アフリカ敷地内)
延べ床面積:約1,300m2
対象製品:20~120トンクラスの中・大型油圧ショベル、ホイールローダ
対象部品:油圧シリンダ、油圧ポンプ、旋回装置、走行装置など
関連情報

■日立建機について
 日立建機は、油圧ショベル、ホイールローダ、道路機械、鉱山機械などの開発・製造・販売・サービスの事業をグローバルで展開している建設機械メーカー。新車販売以外の事業である部品・サービス、レンタル、中古車、部品再生などの「バリューチェーン事業」の強化に注力し、デジタル技術を活用することで、顧客とのあらゆる接点において提供するソリューションを深化させている。世界に約25,000人の従業員を擁し、2021年度(2022年3月期)の連結売上収益は1兆250億円、海外売上収益比率は約79%。

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