・広域化に伴い既存2施設を統合、20年間の運営業務も受託
・尾張北部環境組合から受注、稼働開始は2028年4月予定
・MHIECの一元責任による事業計画や地元人材の雇用計画といった地元貢献などで高い評価
三菱重工グループの三菱重工環境・化学エンジニアリング(MHIEC、本社:横浜市西区)は、2月14日、愛知県の尾張北部環境組合(犬山市、江南市、丹羽郡大口町および扶桑町の2市2町で構成)から「尾張北部環境組合ごみ処理施設整備・運営事業」を受注したと発表した。同地区にある2棟の一般廃棄物焼却施設を統合し、新たに江南市内に処理能力194トン/日のストーカ式焼却炉(注1)を備えた一般廃棄物焼却施設を建設するもので、稼働開始は2028年4月の予定。
同事業は、2市2町のごみ処理を広域化するため1983年から稼働している処理能力135トン/日の「犬山市都市美化センター」(犬山市、三菱重工の設計・施工)および1982年から稼働している処理能力150トン/日の「江南丹羽環境管理組合環境美化センター」(丹羽郡大口町)に代わるもので、MHIECはDB+O方式(注2)により20年間にわたる運営業務も受託します。施設の建設と運営を合わせた総受注額は331.5億円(税抜)。
最新の一般廃棄物処理技術を導入している同施設は、処理能力97トン/日のストーカ炉2基のほか、CO2排出量削減による環境負荷低減や高効率の発電能力を実現している。また、不燃物などを破砕処理するマテリアルリサイクル推進施設(処理能力14トン/5時間)についてもDBM方式(注3)により10年間の維持管理を受託しており、エネルギーの回収と有効利用による温室効果ガス削減、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現ならびに循環型社会の形成に貢献する施設を目指す。
今回の入札は、金額に加えて技術力・運営ノウハウといった要素についても審査対象とする総合評価方式により実施された。選定に当たっては、MHIEC一元責任の下で工事工程の進捗状況を管理する事業計画やマテリアルリサイクル推進施設の処理に関する具体的な提案のほか、工事資材の地元調達や地元人材の雇用計画といった地元への貢献面でも高い評価を受けた。建設・運営に当たっては、組合圏域内の企業5社とともに地元密着型グループを結成し、地元企業との連携を重視した事業展開を実施する。
三菱重工が長年培ってきた環境装置分野の技術開発力と国内外を含めた豊富な廃棄物処理施設の建設・運営ノウハウを2008年に継承したMHIECは、多数の実績に基づく建設から運営まで含めた総合的ソリューション提案力を強みとし、施設の新設だけでなくアフターサービスや長期運営のニーズなどにも対応している。今後も、既存施設の省エネ化やAI、IoTを活用した遠隔監視・自動運転支援による焼却炉の高度化、L.C.C.(ライフサイクルコスト)低減に向けた提案を積極的に推進し、国内外での受注拡大につなげていく。
1 ストーカ式焼却炉は、耐熱金属の角材を並べた床の上で、廃棄物などの焼却対象物を突き上げることで移動させながら燃焼させる炉で、一般廃棄物焼却炉の主流。
2 DB+Oは「Design・Build+Operate」の略で、公共機関主体で施設を設計・建設、所有し、施設の維持管理を民間事業者に複数年かつ包括的に委託する方式。
3DBMは「Design・Build・Maintenance」の略で、公共機関主体で施設を設計・建設、所有し、公共機関が自ら施設の運転を行うもので、維持管理については民間事業者へ委託する方式。
ニュースリリース
*リリース内容から「ですます調」で表記しています。