クボタ、22年売上は21.9%増の2兆6,788 億円、23年予想は8.3%増の2兆9,000 億円

 ㈱クボタが2月14日に発表した2022年12月期(2022年 1 ~ 12 月)連結業績によると、売上高は前期比4,820億円(21.9%)増加して2兆6,788億円となった。国内売上高は水・環境部門は増収となったが、機械部門が農業機械などを中心に減収、その他部門も減収となったため前期比4億円(0.1%)減の6,024億円となった。海外売上高は機械部門、水・環境部門ともに増収となり、前期比4,824億円(30.3%)増の2兆764億円となった。海外売上高比率は前期比4.9ポイント上昇して77.5%となった。

 営業利益は値上げ効果や為替の改善などの増益要因があったが、原材料価格の上昇や物流費の増加などの減益要因により、前期比256億円(10.5%)減の2,189億円となった。税引前利益は営業利益の減少により前期比170億円(6.8%) 減少して2,339億円となった。法人所得税は591億円の負担、持分法による投資損益は16億円の利益となり、当期利益は前期比128億円(6.8%)減の1,764億円となった。親会社の所有者に帰属する当期利益は前期を186億円(10.6%)下回 る1,562億円となった。

 クボタ2022年通期データ

■セグメント別の概況

<機械部門>

 同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成されている。売上高は前期比24.8%増加して2兆3,280億円となり、売上高全体の86.9%を占めた。

 国内売上高は前期比2.5%減の3,026億円となった。農業機械及び農業関連商品が米価低迷や経営継続補助金の終了により減収となった。

 海外売上高は前期比30.3%増の2兆254億円となった。北米では、トラクタは市場が縮小傾向にあるもののディーラー在庫充足のための出荷が進んだこと、建設機械はインフラ工事需要により増収となった。

 欧州では、建設機械、 エンジンを中心に堅調に推移した 。アジアでは、タイは前年の政府事業の反動により稲作向け機械は減少となったが、畑作市場の開拓が堅調に進んでいる。中国では、排ガス規制前の駆け込みもありトラクタは増加したが、 上半期のロックダウンによる田植機などの減販をカバーするには至らなかった。インドでは、第2四半期からエスコ ーツ Ltd.(現エスコーツクボタ Ltd.、以下「EKL社」)を連結子会社化したことにより増収となった。

 セグメント利益は値上げ効果や為替の改善などの増益要因があったが、原材料価格の上昇や物流費の増加 などの減益要因により前期比4.7%減少して2,371億円となった。

 

 

<水・環境部門>

 同部門はパイプシステム関連製品(ダクタイル鉄管、合成管等)、素形材・都市インフラ関連製品(反応管、スパイラル 鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ等)により構成されている。売上高は前期比7.3%増加して3,276億円となり、売上高全体の12.2%を占めた。

 国内売上高は前期比4.1%増の2,766億円となった。環境関連製品は前年の排水ポンプ車特需の反動により減収となったが、パイプシステム関連製品は値上げ効果や合成管の増加により増収、都市インフラ関連製品は国内工場向けが 順調で増収となった。

 海外売上高は反応管など素形材が堅調で前期比28.6%増の510億円となった。

 セグメント利益は原材料価格の上昇を値上げでカバーするも、インフレなどによる経費の増加により前期比 22.5%減少して173億円となった。

<その他部門>

 同部門は各種サービス事業などにより構成されている。 売上高は前期比12.8%減の232億円となり、売上高全体の0.9%を占めた。 セグメント利益は前期比16.5%減少して31億円となった。

■次期の見通し

 次期(2023年12月)の売上高は前期比2,212億円増の2兆9,000億円(前期比8.3%増)を見込んでいる。国内市場では、機械部門は米価低迷により売上 は横ばいだが、水・環境部門は値上げによる単価上昇により増加する見通し。海外市場では、機械部門が建設機械の底堅い需要を背景に増収を見込んでいるほか、農業機械も地域差はあるが堅調に推移する見通し。

 営業利益はインフレによる固定費増加や原材料費の高止まりがあるが、値上げ効果や増販により2,700億円(前期比23.3%増)となる 見込み。税引前利益は2,780億円(同18.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,860億円(同9.1%増)予想している。

 業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=125円、1ユーロ=135円としている。

 クボタ の2022年12月期決算短信

 決算補足資料