加藤製作所、22年4~12月期売上10.1%減の約394億円、通期予想は10.3%減の570億円に下方修正

 ㈱加藤製作所が2月13日に発表した2023年3月期第3四半期連結累計期間(2022年4~12月)連結業績によると、サプライチェーン混乱による生産への影響もあり、売上高は393億6千2百万円(前年同期比89.9%)となった。損益については、昨年度から取り組んでいる収益性改善施策が奏功し、営業利益7億3千6百万円(前年同期は営業損失58億5百万円)、経常利益は為替影響もあり12億4千4百万円(前年同期は経常損失57億3千6百万円)、固定資産売却益など特別利益もあり、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億4千4百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失46億9千8百万円)となった。

 加藤製作所2023年3月期第3四半期データ

 2022年4~12月期における我が国経済は、景気持ち直しの動きがあったものの、地政学的問題は継続しておりエネルギーや原材料価格は高騰しサプライチェーンの混乱が継続、歴史的な円安水準から日本銀行の政策一部変更により円高へ反転するなど、依然として不透明な状況が続いている。

 海外については、欧米においては、経済活動が活発化する一方でインフレが進行、欧米の中央銀行による政策金利引き上げが続いており景気後退が懸念され、中国においては、建設需要の落ち込みは継続しているなか、ゼロコロナ政策を大幅に見直す等、一時的なコロナ感染急拡大が懸念される状況。

 このような状況下、加藤製作所グループは、2022年度を新たな中期経営計画の初年度として、中期経営計画の基本方針として掲げた「収益性改善・強化」「財務体質の改善」「将来の基盤構築」に取り組んでいる。

■セグメント別の状況

① 日本

 国内向け建設用クレーンは、売上高は215億4百万円(前年同期比105.8%)となった。海外向け建設用クレーンはサプライチェーン混乱の影響を受け、売上高は25億2千7百万円(前年同期比65.8%)となった。

 国内向け油圧ショベル等の売上高は、サプライチェーン混乱の影響を受け、59億7千9百万円(前年同期比67.6%)となった。海外向け油圧ショベル等の売上高は、北米向けが堅調に推移し、42億9千5百万円(前年同期比103.2%)となった。

 これにより日本の売上高は350億4千4百万円(前年同期比92.6%)となり、セグメント利益は10億8千1百万円(前年同期はセグメント損失12億2千7百万円)となった。

② 中国

 中国向け油圧ショベル等は、中国市場における建設需要の落ち込み継続により、厳しい販売環境にあり、中国の売上高は18億8千4百万円(前年同期比44.0%)となり、セグメント損失は5億8千9百万円(前年同期はセグメント損失47億5千6百万円)となった。

③ その他

 その他地域は、欧州などの需要は旺盛なものの、サプライチェーン混乱の影響を受け、売上高は38億3千4百万円(前年同期比100.6%)と横ばいとなり、セグメント損失は2千万円(前年同期はセグメント損失7千9百万円)となった。

■主要品目別売上高の状況

① 建設用クレーン

 建設用クレーンは利益率・利益額を重視した販売活動により、国内売上高は215億4百万円(前年同期比105.8%)となった。海外売上高は25億9千2百万円(前年同期比58.2%)となった。よって、建設用クレーンの売上高は240億9千7百万円(前年同期比97.3%)となった。

② 油圧ショベル等

 油圧ショベル等は利益率・利益額を重視した販売活動により、国内売上高は59億7千9百万円(前年同期比67.6%)となった。海外売上高は85億4千7百万円(前年同期比90.3%)となった。よって、油圧ショベル等の売上高は145億2千7百万円(前年同期比79.4%)となった。

■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 最近の業績動向を踏まえ、2022年11月10日に公表した、2023年3月期の通期連結業績予想を下記のとおり修正した。

 売上高570億円(前期比10.3%減、前回予想605億円)、営業利益5億円(前回予想1億円) 、経常利益9億円(前回予想4億円) 、親会社株主に帰属する当期純利益15億円(前回予想10億円)。

 第3四半期累計期間(2022年4~12月)における事業環境は、エネルギーや原材料価格の高騰、中国のゼロコロナ政策及びロシア・ウクライナ情勢に起因したサプライチェーンの混乱など厳しい状況下で推移した。今後も国内における部品の供給遅延に伴う生産への影響や、中国市場における建設需要の落ち込みは当面の間は継続するものと見込んでおり、売上高については2022年11月10日に公表した通期連結業績の予想数値を下回る見込み。

 一方で損益面については、売上高の減少による影響や原材料の高騰、部品不足に伴う工場稼働率の低下による原価の上昇があったものの、中期経営計画に掲げた「収益性改善・強化」の各施策が奏功したことや為替の影響もあり前回公表の予想数値を上回る見込み。

 加藤製作所の2023年3月期第3四半期決算短信

 第3四半期説明資料