三井金属は2月7日、全固体電池※1向け固体電解質「A-SOLiD®※2」量産試験用設備の生産能力 増強を決定したと発表した。
次世代の蓄電池として期待されている全固体電池は、電気自動車(EV)をはじめとした幅広い用途で 開発が進んでいる。三井金属は、長年培った電池材料技術を活かして開発した A-SOLiD®をそのキー・ マテリアルと位置づけ、顧客や市場パートナーと全固体電池の実用化に向けた取り組みを進 めている。
2021 年 11 月 11 日付ニュースリリース「全固体電池向け固体電解質「A-SOLiD ®」の量産試験用設備 からの供給開始」 で発表していた通り、量産試験用設備で生産した A-SOLiD®のサンプル供給 を 2021 年 11 月に開始した。現在、EV 用途での全固体電池実用化に向けた活発な開発競争を背景に、国内外の複数の顧客で A-SOLiD ®のニーズが急増しており、今後も更なる増加が見込まれる ため、量産試験用設備の生産能力を倍増することを決定した。また、A-SOLiD®を使用したセラミックパッケージ型全固体電池がマクセル株式会社で製品化されるなど、実用化も順調に進んでいる。
三井金属はパーパスである「探索精神と多様な技術の融合で、地球を笑顔にする。」を基軸に、EV 用途をはじめ、全固体電池ならではの新しい用途を皆様と共に創造し、サステナブルな社会作りに貢献する。
<量産試験棟の概要>
所在地:事業創造本部 総合研究所 敷地内(埼玉県上尾市原市1333-2)
【用語解説】
※1 全固体電池:高エネルギー密度化、高入出力特性、高耐環境性などの特徴を有し、特殊環境下における用途や新 しい蓄電用途および電気自動車(EV)用途において精力的に開発が進められており、一部は実用化 段階を迎えている。
※2 A-SOLiD® :三井金属が開発した固体電解質は、有機電解液と同等水準の高いリチウムイオン伝導性を有し、電気化 学的にも安定な「アルジロダイト型硫化物固体電解質」であることを特徴とし、「A-SOLiD®」として 商標登録をしている。同ブランドのもと全固体電池の普及に貢献していく。