㈱クボタは2月6日、カメラで撮影した画像データをAIで分析することで、ブドウの病害や生育状況を検知し、独自のアルゴリズムで適切な農薬散布量の提案を行うフランスのスタートアップ企業Chouette社に出資したと発表した。
■背景とねらい
農業における過剰な農薬使用は土壌や水、大気を汚染することから、欧州では環境負荷の低減と持続可能な食料生産をめざし、2030年までに化学農薬の使用量を50%削減することが目標として掲げられている。
近年の気候変動の影響を受け、欧州のブドウ農場では病害の発生が増加しており、品質や収量低下などの影響が深刻化している。
Chouette社は、主にブドウの生産者向けに、トラクタやドローンに取り付けたカメラで撮影した農園内の果樹の画像データからAIを用いて病害や生育不良を検知するサービスを展開している。
得られた病害や生育不良のデータと独自のアルゴリズムを用いて適切な農薬散布の箇所・量を示したマップを作成することができる。これを活用することで効果的に病害の拡大を予防し、使用する農薬も最小限に抑え、環境負荷と農薬コストを低減することができる。
クボタは今後も国内外のスタートアップ企業への出資を進め、果樹分野での先進的な技術開発に取り組み、環境負荷低減と農業経営の安定化に貢献していく。
<Chouette社の概要>
会社名:Chouette(https://www.chouette.vision/)
代表者:Charles Nespoulous
本社所在地:フランス・パリ市
設立:2015年
事業内容:画像解析技術とAIを活用したブドウ農場向け営農支援ソリューション