三菱ロジスネクストが2月7日に発表した2023年3月期第3四半期連結累計期間(2022年4〜12月)における連結売上高は、4,409億5千8百万円(前年同期比30.9%増加) となった。利益面については、原材料や輸送費の高騰影響を受けながらも、売上高の増加に加え、価格改定 の効果が大きく出てきていることなどにより、営業利益は76億2千4百万円(前年同期比156.1%増加)、経常利 益は62億6千3百万円(前年同期比128.0%増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は28億8千1百万円(前 年同期比731.9%増加)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、営業利益は152億5千4百万円(前年同期比52.1%増加)となり、営業利 益率は3.5%(前年同期比0.5ポイント増加)となっている。
2022年4〜12月期における世界経済は、インフレ抑制を目的とした各国中央銀行による利上げや昨年 2月以来のロシアによるウクライナ侵攻の影響から停滞、減速状況が続いている。また、コロナ禍からの急激な回復局面で引き起こされた、資源高・原材料市況や輸送運賃の高騰・サプライチェーンの混乱も、地域差は あるものの依然として高い水準で継続している。
このような中、フォークリフトを始めとする物流機器市場は、国内においては、コロナ禍前と同様の水準で堅調に推移しており、海外においては、米州では景気の減速感もあって買い控えによる若干の需要減少はあるものの物流ニーズは底堅く、依然としてコロナ禍前を上回る需要が継続している。その一方で、欧州はロシアの ウクライナ侵攻以降の資源高などで企業活動が鈍化して、コロナ禍前の水準は維持しながらも縮小傾向で推移している。また、アジアは好調だった前年度よりもさらに高い水準で推移しているが、中国は昨年12月までのゼロコロナ政策の推進などにより需要の減速感は否めまない。
同社では、半導体不足から始まった様々な部品供給の遅れによるリードタイムの長期化、原材料費・輸 送費を始めとしたコスト高は前年度から継続しているが、グループ各社の受注は、地域差はあるものの全体としては概ね順調。また、国内、海外において生産の整流化に努め、年度前半に比して生産、出荷を進めることができており、それに伴い価格改定の効果も出てきている。しかし、世界経済の先行きは依然、厳しいものと想定され、予断を許さない状況が続いていることに変わりはなく、引き続き部品供給を確保しながら生産整流化による更なる出荷促進に取り組むとともに、併せてコストの削減にも注力していく。
■セグメントごとの経営成績
〔国内事業〕
国内事業は、受注は堅調に推移しているものの、年度前半の部品欠品のための出荷不足により、売上高は1,271 億2千1百万円(前年同期比0.9%減少)となった。セグメント損失は、売上高の減少に加え、コスト高の影 響もあり、2億7千万円(前年同期15億1千3百万円の利益)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は33億5千2百万円(前年同期比34.3%減少)となっている。
〔海外事業〕
海外事業は、米州、欧州を中心とした販売台数の増加に加え、為替の円安影響が追い風となり、売上高は3,138 億3千6百万円(前年同期比50.5%増加)となった。セグメント利益は、売上高の増加や価格改定効果も寄 与し、78億9千5百万円(前年同期比439.3%増加)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は119億2百万円(前年同期比141.7%増加)となっている。
特に米州においては、好調な受注を背景とした売上高の大幅な増加に加え、販売子会社のレンタル事業の好調 や価格改定効果もあり、これらがセグメント利益の増加に寄与している。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
連結業績予想については、2022年11月1日に公表(下記)したものから変更はない。
売上高6,100億円(前期比31.1%増)、営業利益115億円(同220.1%増)、経常利益100億円(同208.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益35億円(同388.0%増)。
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