・工作機械売上を2025年度に2,600億円超、2030年度は5,000億円を計画
日本電産は、2022年11月30日に発表したイタリア 工作機械メーカーPAMA社及び同関連会社の株式取得に関する譲渡契約締結について、2月1日に全株式の取得(買収)を完了した。買収したPAMA社は日本電産の完全子会社となったか、2月2日、日本電産はその概要と今後の戦略について発表した。
<新子会社概要>
社名 : PAMA S.p.A.
本社所在地 : イタリア トレンティーノ=アルト・アディジェ州ロヴェレート市
設立 : 1926 年
新経営陣:取締役会長 西本 達也(新任)、取締役ジェネラルマネージャー アレサンドロ バティスティ(留任)、取締役 本橋 健(新任)
事業拠点:製造・販売 : イタリア、中国/販売 : 米国、ドイツ、インドなど
関連会社 : 中国、米国、ドイツ、インドなどに9社
事業内容 : 工作機械(横中ぐり盤、門型機他)製造・販売
従業員数 : 約430名
売上高:2022年12月期見込み : 135.6百万ユーロ(約191.2億円)
■PAMA社の強み
PAMA社は、工作機械の中でも五面加工機、横中ぐり盤等の高精度大型機械の分野で幅広い製品群と高い技術力を有する企業で、横中ぐり盤メーカーとしては世界最大のシェアをもっており、プレス機、建設機械、重機、発電機器、造船、宇宙航空機の大手メーカーをエンドユーザーとしている。
また、販売地域は欧州、北米だけでなく1988年に進出している中国でも、毎年安定した売上実績を誇っている。
■日本電産グループとのシナジー
日本電産のグループ会社である日本電産マシンツールとニデックオーケーケーの主要製品は、歯車機械、大形機およびマシ ニングセンタであり、複合加工や 5 軸加工技術の強化、大形機の中では、横中ぐり盤の更なる製品ラインアップの拡充 が課題だった。また、両社とも日本国内市場を中心とした販売をしており、欧米市場及び今後の成長が期待される中 国市場等の海外での売上実績は国内大手工作機械メーカー各社と比して劣後していた。
PAMA 社をグループ会社に加えることによって、日本電産は (1)販売における、広範な品揃えとクロスセルによるアジア市場と欧米市場での売上拡大 (2)製品開発における、3 社の得意技術の組み合わせによるあらたな製品やコンポーネントの開発 (3)製造における、欧州・米国・アジアのグローバルな生産最適化による納期とコストの改善 等、販売・開発・製造全ての面においてシナジーを追求することができる。
■日本電産工作機械事業の目標
日本電産マシンツール、ニデックオーケーケー及び PAMA 三社合算の年間売上規模は、約870億円。日本電産は この3社及びニデックグループ他社との相乗効果の具現、ならびに新たな M&A の実行により、2025年度における 工作機械事業売上高を2,600億円超、2030年度売上計画は5,000億円を計画している
日本電産は今後とも機械の機械、マザーマシンである工作機械の業界に積極投資を続け、日本の機械業界の発展に寄与していく。