UBEは1月30日、CO2分離膜を中心とする需要の急増に対応するため、宇部ケミカル工場内のガス分離膜用ポリイミド中空糸製造設備および堺工場内のガス分離膜モジュール製造設備の増設を決定したと発表した。いずれも2025年度上期に稼働予定で、生産能力は現行比で約1.8倍となる。
UBEのガス分離膜事業は、水素分離膜、除湿膜、窒素分離膜、CO2分離膜、有機蒸気脱水膜など幅広い用途に応じたソリューションを提供している。UBEの分離膜はポリイミド製で高耐久性に強みを持ち、中空糸を宇部ケミカル工場で、モジュールを宇部ケミカル工場および堺工場で製造している。近年では再生可能エネルギーの利用拡大を背景として、バイオガスから二酸化炭素等を除去し、燃料となるバイオメタンを抽出するCO2分離膜の需要が欧州・北米を中心に急速に高まっており、今後も世界的な市場拡大が続くと見込まれることから、増設および既存設備の能力向上により生産体制を強化するもの。
UBEは2022年5月に発表した中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」のもと、地球環境問題への貢献とスペシャリティ化学の成長を両輪として、経営資源を効率的に投入し、地球環境と人々の健康、そして豊かな未来社会に貢献するスペシャリティ化学を中核とする企業グループになることを目指している。ガス分離膜事業においては、特にバイオメタン用CO2分離膜の供給を通じて環境・エネルギー分野での事業展開を拡大し、サステナブルな社会の発展に貢献していく