ファナック、22年4〜12月期売上は17.7%増の6,361億円、通期予想は13.4%増の8,312億円に上方修正

 ファナックが1月27日に発表した第3四半期(22年4〜12月)における連結業績は、売上高6,361億13百万円(前年同期比17.7%増)、経常利益1,777億95百万円(前年同期比10.1%増)、親会社株主に帰 属する四半期純利益1,298億7百万円(前年同期比9.3%増)となった。

 22年4〜12月期における取り巻く状況は、自動車関連をはじめとして製造業全般において設備投資が活発に行われたが、サプライチェーンにおける半導体等の 部品の不足による生産活動への影響やインフレの進行、急激な為替変動等、先行き 不透明な状況が続いた。

 このような中、ファナックグループは、新型コロナウイルスの感染拡大防止を図りつつ、顧客への商品の供給とサービス活動の継続に努めた。特に半導体をはじめとする部品不足については、代替品の採用、設計変更等あらゆる対策を行い、影響を最小限にとどめるべく、会社の総力を挙げて対処した。

 ファナック2023年3月期第3四半期データ

■部門別の事業の概況

 FA部門については、CNCシステムの主要顧客である工作機械業界の需要は、横ばいだった中国を除き高いレベルで推移し、CNCシステムの売上も、全体として増加した。 

 FA部門の売上高は 1,919 億 20 百万円(前年同期比 17.1%増) となった。

 ロボット部門については、中国で EV、物流、再生可能エネルギー関連向けを中心に売上が好調に推移し、米国でも一般産業向けおよび EV 関連の需要を取り込んだ自動車産業向けの売上が堅調で、欧州でも一般産業向けの売上が堅調に推移した。国内では売上は横ばいだった。

 これらの結果、ロボット部門の売上高は 2,569 億 39 百万円(前年同期比 29.7%増)となった。

 ロボマシン部門については、ロボドリル(小型切削加工機)では、好調だったパ ソコン、タブレット、スマートフォン市場からの需要が一巡し、売上が減少した。ロボショット(電動射出成形機)では、IT 関連、医療市場向けの需要が堅調に 推移し、引き続き高水準の売上だった。ロボカット(ワイヤ放電加工機)では、IT 関連、自動車部品市場向けの需要が好調に推移し、売上が増加した。

 これらの結果、ロボマシン部門の売上高は 1,042 億 74 百万円(前年同期比 4.5%減)となった。

 サービス部門については、「サービスファースト」をキーワードに、サービス体 制の強化、IT 技術の積極的な導入による効率アップ等を進めている。

 サービス部 門の売上高は 829 億 80 百万円(前年同期比 20.1%増)となった。

■連結業績予想に関する説明

 第4四半期連結会計期間における想定為替レートの見直しの影響や、FAでの中国等 における発注調整の影響はあるものの、第2四半期決算発表時点の計画よりも業績が堅調に推移しているため、2023年3月期通期の業績予想を以下のとおり変更した。

 売上高8,312億円 (前期比13.4%増)、営業利益:1,844億円(0.6%増)、経常利益:2,231億円 (4.5%増)、親会社株主に帰属 する当期純利益:1,640億円(5.6%増)。

 なお、2023年1月から2023年3月までの期間における為替レートは、平均125円/ドル、 135円/ユーロを想定している。

 ファナックの2023年3月期第3四半期決算短信

 第3四半期決算説明資料