三菱電機、約267億円投じインドでルームエアコンと空調機器用圧縮機の工場を建設

・空調冷熱システム事業のグローバル重点戦略である消費地生産を拡大

 三菱電機は1月12日、需要増加が見込まれるインドにおける空調冷熱システム事業の拡大に向け、インドの販売拠点であるMitsubishi Electric India Pvt. Ltd.(三菱電機インド、以下、MEI)に約267億円を投資し、ルームエアコンと空調機器用圧縮機の工場を建設すると発表した。

 近年、空調冷熱システムのグローバル市場は、省エネ化・低GWP冷媒化による更新需要増加や、化石燃料からのエネルギーシフトを背景とする需要増加により、今後も拡大が見込まれている。このような市場環境を受け、空調冷熱システム事業の成長戦略ビジョンAdvance & Innovation 2025(以下、AI25)を2021年11月に策定し、2025年度の売上高1兆2,600億円、営業利益率12%を目指している。これに向けた重点戦略として、現地の市場ニーズに即した高性能・省エネ製品や自然冷媒などによる環境に配慮した製品開発と市場投入の加速、さらに製品の安定供給及びリードタイム短縮のため消費地生産の拡大に取り組んでいる。また、機器販売からアフターサービス、設備マネジメント提案、製品リサイクルまでを含めた循環型のライフサイクルソリューションを事業展開し、総合空調冷熱システムメーカーとして社会課題の解決に貢献している。

 三菱電機はAI25において、2025年度までの5年間累計で約1,800億円の設備投資を計画している。欧米での消費地生産拡大に加え、人口増加や経済成長により需要が拡大するインド市場への対応として、インド国内に新たな製造拠点を設立する。

 インドにおける三菱電機の空調冷熱システム事業は、2010年にMEIを設立し、輸入販売を開始して以降、販路拡大を進め、高品質で高性能な製品を揃えるプレミアムブランドとしての市場地位を確立し、事業を拡大してきた。

 今回、インド南部タミル・ナドゥ州に工場を建設し、ルームエアコンと空調機器用圧縮機の消費地生産を開始することで、今後の需要増加に対応した製品の安定供給を図る。また、現地の顧客ニーズにもとづいた製品投入や、空調冷熱機器におけるライフサイクルソリューション、および三菱電機が持つ総合力を生かした各種ソリューションを提供することで、インド市場でさらなる事業拡大を目指す。

<工場の概要>
所在地:インド共和国 タミル・ナドゥ州
敷地面積:約 210,000㎡
延床面積:約 88,000㎡
生産能力:
・ルームエアコン:2025 年 10 月稼働予定、年間 30 万台生産予定(室外機ベース)

・空調機器用圧縮機:2025 年 12 月稼働予定、年間 65 万台生産予定

投資金額:約 267 億円(土地・建物・生産設備を含む)

脱炭素化への取り組み:断熱強化や省エネルギー機器(LED 照明、空調機器、高効率ボイラー)の 採用による CO 2 排出抑制

SDGsへの取り組み:工場排水の再利用(地下浸透処理および緑化)

<MEI の概要>(2022 年 12 月末時点)
社名:Mitsubishi Electric India Pvt. Ltd.(三菱電機インド)
代表者:田村 一彦
所在地:インド共和国 ハリヤナ州グルグラム 3 rd Floor, Tower A, Global Gateway, MG Road, Gurugram – 122002, Haryana, India
出資比率:三菱電機アジア:58%、三菱電機:42%
資本金:約 70 億円
設立:2010 年 9 月 21 日
事業内容:FA 制御システム製品の開発・製造・販売・アフターサービス 空調機器、半導体、鉄道車両用電機品の販売・アフターサービス

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