●年頭所感(2023年) 株式会社三井E&Sホールディングス 代表取締役社長 高橋岳之

 皆様、明けましておめでとうございます。

 昨年は、コロナ禍が収束しない中、2月にロシアの本格的なウクライナ軍事侵攻が始まり、原材料の高騰、急激な円安の進行など世界経済の先行き不透明感が増した一年でした。

当社においては、本年は反転攻勢、成長軌道に乗せるための土台固めとなる重要な年にあたります。

 年頭にあたって改めて当社グループの現状と、皆さんにお願いしたいことについて、お話ししたいと思います。

■「当社グループの置かれている状況」

 昨年は、一連の事業再生計画をほぼ予定通りに進展させてきたことで、再生に一定の目処がつきました。事業再編により、当社グループが注力する分野が明確になり、今後は成長分野にリソースを集中し、成長戦略に舵を切ります。

 当社は、本年4月に事業持株会社体制へ移行し、事業と経営が一体となり戦略実行のスピードを上げていきます。着実な戦略実行により、当社事業が今後も成長を続け、利益を出せることを社内外から見てはっきりわかるアウトプットとして示していかねばなりません。その意味でも、22短計の利益目標は必達であり、断固とした決意で臨んでいただきたいと思います。

■「今後の施策と方向性」

昨年5月に公表した23中計で、グループ経営コンセプトを再定義し、企業理念にある「ものづくり」という言葉を、「エンジニアリングとサービス」に変更いたしました。

 私たちは舶用エンジン、港湾クレーンのトップシェアを持つメーカーですので、ものづくり企業であることは今後も変わりませんが、これからは製品単体だけではなく、周辺分野を含めた包括サービスを提供できる、エンジニアリングサプライヤーを志向していきます。周辺分野へ拡げた新ビジネスを展開することで、中核事業の舶用エンジン、港湾クレーンを更に強くし、国内トップメーカーとして「事業・製品・サービス」の差別化を進めることで、収益力の強化を図ります。

 また、国連が掲げる持続可能な開発目標(=SDG’s)が問われる今、当社グループが現在の様々な社会課題に対して我々の技術リソースで様々な社会課題の解決策を提供していくこと、それが当社の存在意義(パーパス)となり、それを今後の事業の根幹に置くことが大切と考えています。

我々にとってのマテリアリティ(=重要課題)は、「脱炭素社会の実現」と、「人口縮小社会の課題解決」です。 “グリーン”と”デジタル”の切り口で、それらの課題を解決するべく成長戦略を実行していくことで、社会に貢献し、当社の存在意義を示していきたいと思います。
成長戦略の土台となるのは、着実に稼ぐ力であり、財務基盤の再生・強化は引き続き優先課題として進めなければなりません。全員が収益と、成果達成のスピードにこだわり、効率的かつ筋肉質な組織になるよう引き続き取り組んでいきます。

 また、成長戦略の実現のために、4月の新体制から人事制度を一新し、多様な人材が思い切り活躍できる人事制度へと改革を進めます。

 これらを踏まえて、従業員の皆さんにお願いしたいことは、私たちの技術リソースで社会課題に対してどのようなサービスを提供していけるか、マーケットイン思考で常に考え続けてほしいということです。先行き不透明、不確実性の高い時代ですが、そこにいかに対応していくかを考えれば、様々な可能性がある、チャンスに溢れているとも言えます。

■「安全衛生」、「コンプライアンス」

 安全衛生は当社にとって最優先事です。皆さん一人一人がそれぞれの作業の中で安全の意識づけを強く持ち、危険予知能力を高め、安全最優先を徹底するようお願いします。また、周りの人、自分自身のメンタルケアにも注意を払うようお願いします。

 コンプライアンスは、その意識がともすれば風化する場合がありますので、繰り返しRe-mindすることが重要です。日頃から、一人ひとりが適切に対応することを心がけ、企業人として適切な行動をとることを常に肝に銘じるよう、お願いします。

■結びに

 今年は我々にとっても反転攻勢、飛躍の年とするべく、全員一丸となって、社会課題の解決策を提供するという使命感を持ち「エンジニアリングとサービスを通じて、人に信頼され、社会に貢献する」仕事をしていきましょう。

(1月5日:従業員向け新年挨拶の要旨より)

 三井E&SホールディングスHP