DMG 森精機、大型横形マシニングセンタ NHX 10000 μPrecisionを開発

・高剛性と空間精度 15 μm 以下の高精度を兼ね備える

 DMG 森精機は12月20日、高剛性と空間精度 15 μm 以下の高精度を兼ね備えた大型横形 マシニングセンタ「NHX 10000 μPrecision」を開発したと発表した。

 DMG 森精機は 2006 年から 2016 年まで、スイス DIXI MACHINES 社の経営にかかわってきた。同社の製品は 20 世紀の世界最高峰の機械と言われ、そこで培った技術をもとにドイツ・日本で熟成を重ねて、さらに高精度な 大型工作機械の開発に成功した。すでに欧州の大型超精密加工のお客様に複数台が納品され好評を博し ていた。このほど、量産化の準備が整ったため、公開する運びとなった。

 NHX 10000 は最大ワークサイズΦ2,000 mm×1,600 mm、最大積載質量 5,000 kg の同社最大の横形 マシニングセンタで、2011 年の発売以来多くの顧客に使用されてている。今回開発した NHX 10000 μPrecision は、高精度化が進む建設機械や航空機、金型、自動車、エネルギー産業など、大型ワークの高精度 加工に特化した機械。機械本体の土台となるベッド剛性を大幅に高めるとともに、3 点支持構造とすることで 大型ワークの高精度加工を実現した。

 機械ストローク時の自重による変形の影響を解析により算出し、高精度に機械案内面の加工を行うとともに、 摺り合わせによる最終仕上げにより空間精度 15 μm 以下を達成する。また、フルストローク(X 軸: 1,700mm、Y 軸:1,400mm、Z 軸:1,510mm)での真直度精度 6 μm 以下を保証する。さらに、重力軸である Y 軸送り軸専用の冷却装置を追加し、熱源となる機器を機械本体から切り離すことにより熱変位を抑制し、 高精度加工を維持する。

 NHX 10000 μPrecision は、主軸やワークへの接近性が良く、作業性に優れた設計。また、クーラント タンク内の微細なスラッジを高効率に回収するゼロスラッジクーラントタンクを標準搭載しているため、清掃頻度 が大幅に低減され、メンテナンスによる機械停止時間、費用を大幅に削減できる。パレットプールシステム (CPP/LPP)などの自動化システムと組み合わせることで、さらなる生産性向上を実現する。

 同社では、2021 年から部品調達から商品出荷までの工程において、全世界の生産拠点で CO2 排出量実質 ゼロの生産を実現しており、NHX 10000 μPrecision にもカーボンニュートラルな体制で生産された商品を表す 「GREEN MACHINE」マークを付与している。GX(グリーントランスフォーメーション)を実現するためには、 より高度な部品・高度な加工が必要です。高剛性で高精度かつ作業性やメンテナンス性が優れた NHX 10000 μPrecision を使用することで、生産性の向上を実現するとともに、CO2 排出量や消費電力の削減により、 顧客の環境対策にも貢献していく。

 詳細は、ニュースリリース