コマツは12月13日、国際環境非営利団体CDP*により、今年の「気候変動対策」および「水セキュリティ対策」においてAリスト企業に認定されたと発表した。これは気候変動対策と水セキュリティ対策において世界的なリーダーであると認識された企業に与えられるもの。
CDPは毎年、世界中の数千社にのぼる企業の環境影響や、それによる事業リスクおよび機会について調査を実施し、独自の評価プロセスを経て結果を発表している。2022年は、130兆米ドル以上の運用資産を持つ680社以上の機関投資家と、6.4兆米ドルの調達支出を持つ280社の大手購買企業が、CDPのプラットフォームを通じて環境への影響、リスク、機会に関するデータの開示を要請し、過去最高の約18,700社の企業がこれに応じた。CDPは、これらの企業を評価するために詳細かつ独自の基準を用いて、開示の包括性、環境リスクの認識と管理、野心的な目標の設定などの環境分野における先駆的な取り組みを伴うベストプラクティスの実践などから、AからD⁻のスコアを付与している。
コマツは、従来から環境活動を経営の最優先課題の一つとして位置付けている。2021年には、2050年までにCO2の排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、2022年4月にスタートした中期経営計画「DANTOTSU Value - Together, to “The Next” for sustainable growth」では同宣言をチャレンジ目標として掲げ、積極的な活動を展開している。ライフサイクル全体のCO2排出量を大幅に削減させるため、電動化建機の市場導入と燃料電池や水素エンジンなどの先行研究を進めるとともに、いかなる動力源でも稼働可能な「パワーアグノスティックトラック」の開発に取り組んでいる。また高度なデジタル技術を用いた自動運転、遠隔操作により、効率の良い施工を可能とすることで、業界のトップリーダーとして、低炭素社会実現に向けた活動を推進していく。
また、TCFD提言に基づき、気候変動がコマツに及ぼすリスクと機会を評価し、シナリオ分析を通じてレジリエンスを強化するとともに、ステークホルダーとの健全な対話を通じて、気候変動や水セキュリティへの取り組みを推進している。
■CDP企業・サプライチェーン担当グローバルディレクター デクスター・ガルビンのコメント:
「今年Aリストに認定された企業の皆様、おめでとうございます。環境関連情報の開示と透明性は、ネットゼロかつネイチャー・ポジティブである未来に向けた重要な第一歩です。異常気象から前例のない自然の損失まで、世界中で環境への懸念がますます高まっている年において、変革的で喫緊かつ協力を通じた変化の必要性はこれまで以上に重要になっています。2030年までに世界全体の温室効果ガスの排出量を半減し、森林減少をなくすとともに、同時に水セキュリティを達成する必要があります。自然(への取り組み)なくして1.5°Cへの道はありません。 CDPが、気候、フォレスト、水への取り組みにおいて、リーダーシップのレベルとされる水準を適格なものに引き上げ続ける中、Aリスト企業、さらにはAリストを目指す企業からも、同様に野心と行動がみられることを期待しています。」
*CDP・・・CDPは、英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)であり、投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営している。2000年に設立され、現在では130兆米ドル以上の資産を保有する680以上の投資家と協力して、CDPは、資本市場と企業調達を利用して、企業が環境への影響を明らかにし、温室効果ガスの排出削減、水資源の保護、森林の保護を行うよう動機付ける先駆者となってきた。2022年には、世界の時価総額の半分に相当する18,700社以上、1,100以上の都市、州・地域を含む、世界中の約20,000の組織がCDPを通じてデータを開示している。CDPは、TCFDに完全に準拠し、世界最大の環境データベースを保有しており、CDPのスコアは、ゼロカーボン、持続可能でレジリエント(強靭)な経済に向けた投資や調達の意思決定を推進するために広く利用されている。
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