・インドネシアPertamina Geothermal Energy社向けに5万5,000kW級地熱発電設備を受注
・スマトラ島南部のルムット・バライII建設プロジェクトで
・三菱商事・中国建設会社・現地土建会社とともにEPC契約、2024年に商業運転開始を予定
・同国内ですでに6系列約40万kWの地熱発電設備を納入、稼働実績・技術力・EPC能力等が評価される
三菱重工業は12月5日、インドネシアの国営石油・ガス関連企業PT Pertamina(Persero)社の地熱発電子会社であるPT Pertamina Geothermal Energy(PGE)社向けに、出力5万5,000kW級の蒸気タービンおよび発電機などを含む発電設備1系列を受注したと発表した。三菱商事、中国の建設会社SEPCO III(SEPCOIII Electric Power Construction Co., Ltd.:山東電力建設第三工程有限公司)および現地の大手土建会社であるPT Wijaya Karya(Persero) Tbk.とともにフルターンキーでプロジェクトを遂行していく。同国南部スマトラ地方に建設されるルムット・バライII(Lumut Balai II)地熱発電所に納入するもので、商業運転開始は2024年の予定。
ルムット・バライII地熱発電所の建設地は、スマトラ島南部に位置するパレンバン市から南西約290km、標高約1,000mに位置している。今回のプロジェクトは、2025年までに電源構成比率の23%を再生可能エネルギー由来にするという同国政府の目標を受けて、気候変動に対する影響の緩和を目指すもの。PGE社は、独立行政法人国際協力機構(JICA)による円借款(政府開発援助)を受けて、この事業を進めている。
三菱重工は、地熱発電設備の基本設計を担当するとともに、蒸気タービン、発電機、および主要付属設備一式を供給。併せて、長年のEPC(設計・調達・建設)コントラクターとしての知見を活かし、技術者を派遣して据え付け・試運転の指導に当たる。
インドネシアは、世界第2位の地熱発電能力保有国。同国は、新型コロナウイルス状況下からの経済回復に伴い電力需要が再び増加しつつあり、PGE社では地熱発電所の新設および出力増強に力を注いでいる。三菱重工はこれまで、同国の地熱発電所向けでは6系列合計で約40万kWに達する設備を納入した実績を有している。今回の受注は、これらの優れた稼働実績、技術力、およびEPC取りまとめ能力が高く評価されたことによるもの。
今回の契約を受けて、三菱重工グループの現地法人PT Mitsubishi Power Indonesiaの社長である石倉 一樹氏は次のように述べている。「インドネシアの地熱資源量は世界第2位を誇り、西ジャワ州のダラジャット地熱発電所やカモジャン地熱発電所、今回のルムット・バライII地熱発電所など、豊富な地熱資源を活用した発電所をインドネシア全土で支援できることを光栄に思います。安全で持続可能な電力を数多くの人々に供給し、同国の再生可能エネルギー導入目標の達成に向け、PGE社の信頼できるパートナーに選ばれたことを誇らしく感じています」。
三菱重工は、火力発電および地熱発電システム分野においてトータルソリューションを提供できる企業です。そのうち地熱発電分野では、これまで世界13ヵ国から100件を超える受注実績を保有。その総設備容量は320万kW超に達しており、世界の地熱発電設備容量実績でトップクラスのシェアを確保しています。
三菱重工は今後も、世界市場で地熱発電機器・設備の提案を積極的に行い、ネットゼロの未来に向けてエネルギーの脱炭素化に貢献していく。
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