日本電産、イタリアの工作機械メーカーPAMA社を買収

 日本電産は11月30日、2022年11月28日(日本時間)開催の取締役会において、イタリアの工作機械メーカーであるPAMA社及び同関連会社9社(総称して以下、PAMA社)の株式取得等を決議し、2022年11月30日付(日本時間)で株式取得等に係る譲渡契約を締結したと発表した。

 日本電産は、2021年8月に三菱重工工作機械(現日本電産マシンツール)を買収し、また2022年2月にOKK(現ニデックオーケーケー)の第三者割当増資の引き受けを実施し、工作機械事業に本格参入した。今回のPAMAS.p.A.(以下PAMA社)買収により、既存2社も含めたグループ内の工作機械メーカー間で、製品補完及び販売、開発・製造等におけるシナジー創出がより効率的に加速できるようになる。

 PAMA社は、大形機、特に横中ぐり盤において、幅広い製品と高い技術力を有し、欧州を中心に中国、米国及びインドに強力な販売・サービス網を有する業界屈指の工作機械メーカー。

 日本電産マシンツールとニデックオーケーケーの主要製品は、歯車機械、大形機およびマシニングセンタであり、複合加工や5軸加工技術の強化、大形機の中では、横中ぐり盤の更なる製品ラインアップの拡充が課題だった。また、両社とも日本国内市場を中心とした販売をしており、欧米市場及び今後の成長が期待される中国市場等の海外での売上実績は国内大手工作機械メーカー各社と比して劣後していた。

 今回の株式取得によって、PAMA社と日本電産グループ工作機械メーカー2社との経営資源の相互利用により、(1)販売における、広範な品揃えとクロスセルによるアジア市場と欧米市場での売上拡大(2)製品開発における、3社の得意技術の組み合わせによるあらたな製品やコンポーネントの開発(3)製造における、欧州・米国・アジアのグローバルな生産最適化による納期とコストの改善等、販売・開発・製造全ての面においてシナジーを追求することができる。

 日本電産は、株式取得を完了後、PAMA社への積極的な資源提供と必要な投資を進め、工作機械事業の成長を加速させるとともに、グローバルベースでの工作機械市場の発展に貢献したいとしている。

<買収企業の概要>
会社名:PAMA S.p.A.
本社所在地:イタリア トレンティーノ=アルト・アディジェ州ロヴェレート市
設立:1926年
役員体制:アレサンドロ バティスティ(Alessandro Batisti、ジェネラル・マネージャー)、同氏は本件取引後も継続してジェネラル・マネージャーに留任する。
事業拠点:イタリア、中国
事業内容:工作機械(横中ぐり盤、門型機他)製造・販売
従業員数:約430名
売上高:2021年12月期 118.3百万ユーロ(約172億円)

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