コマツ、農業ブルドーザーを用いた乾田直播水稲栽培の実証研究を茨城大学と実施

・収穫米を子ども食堂・学生へ寄贈

 コマツは、茨城大学(学長:太田寛行)農学部とともに、2020年より農業用ブルドーザーを用いた乾田直播水稲栽培の共同研究を進めているが、11月30日、実証実験によって新米約24トンを収穫したと発表した。共同研究では茨城県稲敷市内の5.6ヘクタールの土地を大規模圃場として整地、圃場1ヘクタールあたり4.2トンの収穫量となり、昨年同圃場で収穫した1ヘクタールあたり3.6トンに対し、約20%上回る結果となった。11月4日に茨城大学阿見キャンパスにて、地域において食の支援を必要とする人々や学生へ収穫米を寄贈する贈呈式を開催し、茨城県内の子ども食堂などの各種団体などを通じて提供した。

 この共同研究にはコマツの販売代理店であるコマツ茨城/㈱イバジュウも参画している。

 乾田直播水稲栽培は、水田にイネの苗を植えるのではなく、イネの種子を直接土に播くことで稲作の労力とコストを削減させ、休耕地活用の促進や地域農業の持続可能性につながることが期待されている。

 同農業用ブルドーザーは、最新のデジタル技術を駆使することによる高精度な均平作業と、後部に装着した農業用アタッチメントによる耕起作業や種まき作業が可能。昨年度より継続し、水田の均平精度を高め、給排水を低減した環境配慮型の新たな灌漑システムである額縁明渠法の実証を進めた。この額縁明渠給水法により、大規模圃場にもかかわらず明渠への給水箇所が1カ所で済むため、水管理が容易になっただけでなく、ポンプに関わる電力は従来の節電型の水田と比較して約70%もの節電効果を得ている。電力削減することにより、CO2削減にも寄与している。

 今後もコマツは、茨城大学農学部との共同の取り組みにより、乾田直播水稲栽培における農業ブルドーザーの有効性を実証し、その普及を目指していく。

 ニュースリリース