日本ガイシ、約100億円投じて新研究開発棟を建設

・デジタル社会関連製品の開発を促進し早期事業化を図る

 日本ガイシ(名古屋市瑞穂区 )は2022年11月24日、デジタル社会(Digital Society, DS)関連製品の開発促進のため、本社地区に新たな研究開発棟を建設することを決定したと発表した。新製品・生産技術開発を行う人材と設備を集約することで、要素技術開発から製品化までの期間を短縮し、DS関連の新製品の早期事業化を図る。

 NGKグループは中長期ビジョン「NGKグループビジョン Road to 2050」で、DSへの貢献を取り組むべき社会課題の一つとしている。また2030年に新事業化品売上高1,000億円以上を目指す「New Value 1000(NV1000)」も掲げており、達成のため2021年度から10年間で3,000億円を研究開発に投資する計画。取り組みの一環として新研究開発棟を建設し、設備の充実化を図ることでDS関連製品の開発を加速させ、NV1000のうちDS関連の新製品売上高を500億円まで上げることを目指す。

 新研究開発棟では、無線通信や光デバイス用、自動運転向け車載センサー用などの新規ウエハー、半導体実装装置用マイクロヒーターなどのDS関連新製品の開発を行う。今後需要が見込まれる8インチサイズのウエハーに対応した接合・加工設備を導入するほか、最先端の半導体プロセスの分析や実験を行えるクリーンルームを設置する。また、屋上に太陽光発電設備を設置するなど、省エネルギーにも取り組む。将来的には壁面にペロブスカイト太陽電池※を設置し、建物全体で発電した再生可能エネルギーを利用しCO2排出量削減を目指す。

 NGKグループは今後も独自のセラミック技術でDS分野に貢献する製品の開発と事業化を推進し、社会に新たな価値を提供していく。

※ペロブスカイト太陽電池:ペロブスカイトという結晶構造の材料を用いた新しい太陽電池。薄くて軽く、曲げられるという特長を持つため、壁面などこれまで太陽電池を設置できなかった場所での発電が可能となる。同社はペロブスカイト太陽電池の開発を手掛ける株式会社エネコートテクノロジーズ(京都市)に出資を行っている。

2022年3月28日:ペロブスカイト太陽電池の京都大学発スタートアップ企業に出資

<新研究開発棟概要>
所在地:名古屋市瑞穂区須田町2番56号(本社地区内)
建築面積:約1,800㎡
延床面積:約7,200 ㎡
用途:DS関連の新製品開発
設備投資額:約100億円
稼働開始:2025年6月

 ニュースリリース