日立建機、資本提携後の協業第一弾として北米のファイナンス事業体制を拡充

 

 伊藤忠商事東京センチュリー日立建機の3社は、11月21日、それぞれの米国法人を通じて、日立建機グループが取り扱う北米における建設機械の販売金融を行うファイナンス合弁会社ZAXIS Financial Services Americas, LLC(以下「ZAXIS Finance社」)を設立することで合意したと発表した。

 伊藤忠商事は、従来より、北米で小型建機・発電機の製造・販売事業を展開するMULTIQUIP社や次世代型オンライン建機レンタル事業に取り組んでおり、伊藤忠商事グループの持つ日米間の陸海送物流ネットワークや、顧客網を相互活用したシナジー創出への期待などから、2022年8月23日に日立建機への資本出資が実現した。

 東京センチュリーは、国際事業分野の重点エリアである米国において、IT機器のリースからトラックなどを対象とするオートファイナンスに至るまで、多様な金融・サービスを提供している。米国の事業規模がここ数年で飛躍的に拡大している中、アジア地域における日立建機および伊藤忠商事との合弁事業によりこれまで蓄積してきたファイナンスノウハウや、豊富な拠点ネットワークなどをフル活用することにより、米国での更なる事業の成長を目指している。

 北米の建設機械市場は世界最大規模*1であり、今後も、住宅建設・インフラ分野などで安定した需要が見込まれる。また、建設機械を購入される顧客は、機械代金を長期・分割で支払われるケースが多く、特に北米では、建設機械メーカーが、代理店や顧客に、迅速な審査と顧客のニーズに沿った競争力のあるファイナンスメニューを提供することが求められる。
*1: 日立建機推定。

 日立建機は、2022年3月より、米州全域で自社のネットワークを通じて、新車販売からバリューチェーン事業*2までの独自展開を開始し、その当初よりファイナンスにおいては事業パートナーと体制を強化する方向で3社が検討を続けてきた。3社はこれまでにもタイやインドネシアでファイナンス合弁会社を設立・運営してきた実績があり、これらの経験を生かし、今回、伊藤忠商事と日立建機との資本提携後の協業第一弾として、北米におけるファイナンス合弁会社を設立することに合意したもの。

*2: 日立建機における新車販売以外の「部品サービス」、「ソリューションビジネス」、「レンタル・中古車」などの事業

 合弁会社の運営においては、伊藤忠商事グループが北米におけるファイナンスサービスを含めた事業経営を、東京センチュリーグループがファイナンス商品の提案や審査・与信体制の構築などを担い、日立建機グループがマーケティング情報の提供や建設機械の再販に協力する。安定した需要が見込まれる北米において、ZAXIS Finance社を通じて、質の高い金融サービスの提供と日立建機グループ製品・サービスの拡販を推進していく。

<合弁会社概要>
会社名:ZAXIS Financial Services Americas, LLC
(ザクシスフィナンシャルサービスアメリカ社)
本店所在地:アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ
代表者:未定
事業内容:日立建機グループが取り扱う建設機械のキャプティブファイナンス事業
資本金:5,000万米ドル(約74億円)3 営業開始予定:2023年中4
株主(議決権比率) :ITOCHU International Inc. (35%)、Tokyo Century (USA) Inc.(35%)、Hitachi Construction Machinery Americas Inc.(30%)
*3: 2022年11月1日時点為替レート、1ドル=148.25円で計算している。
*4: ZAXIS Finance社の設立は、設立に際して必要となる関係当局の許認可などの取得を条件としている。

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