日立造船グループ、フィンランドでロータリーキルン炉の機器供給などを受注

 日立造船は11月9日、ごみ焼却発電プラントの設計や建設、保守などを展開する Hitachi Zosen Inova Steinmüller GmbH(ドイツ、以下、HZI Steinmüller:シュタインミュラー )が、フィンランドの電力会社あるVantaan Energia Oy(以下、Vantaan 社)より、有害廃棄物処理プラントにおける主要設備であるロータリーキルン炉やボイラーなどの設計・機器供給および据付・試運転時の SV 派遣業務(技術指導) などを受注したと発表した。

 Vantaan 社は、Vantaa 市および Helsinki 市が共同出資する電力会社で、化石燃料の段階的使用 廃止や循環型経済の推進などを目標に掲げており、化石燃料を使用しないでエネルギーを生産する 手段の1つとして、廃棄物発電プラントの運営も行っている。

 Vantaan 社は、Vantaa 市東部の Pitkäsuontie にストーカ式の廃棄物発電プラントを 2 つ有しており、1 つは HZI Steinmüller の親会社である Hitachi Zosen Inova 社(スイス、以下、HZI) が 2014 年に、もう1つは HZI Steinmüller が 2022 年に完成させたもの。

 今回、新たに建設するのは、塗料や鉱物油などの高温処理が必要とされる有害廃棄物を処理するため、ロータリーキルン炉(1 炉、40,000t/年)が採用される。HZI Steinmüller はこれまで 62 件のロータリーキルン炉の納入実績を有しており、Vantaan 社の既存の廃棄物発電プラントの 建設実績もあることから、今回の受注に至った。

 稼働は 2025 年の夏を予定しており、夏期には約 11.9MW(約 1,300 世帯分)、冬期には約 17.5MW(約 1,750 世帯分)の熱供給が可能となる。

 HZI Steinmüller は、2022 年 2 月に HZI の 100%子会社(日立造船の間接 100%子会社)となり、 2022年7 月には英国・スコットランド向けの主要機器供給を受注するなど、日立造船グループとして順調 に事業活動を再開している。

 日立造船グループは、今後もクリーンエネルギー技術を通じて、国連サミットで採択された SDGs(持 続可能な開発目標)の達成や循環型社会の実現に取り組んでいく。

<ヴァンター エネルギアの概要>
発注者:Vantaan Energia Oy(フィンランド、Vantaa 市)
施設規模:40,000t/年(ロータリーキルン炉)
建設場所:Vantaa 市東部 Pitkäsuontie の廃棄物発電施設内
納期:2025 年夏(予定)


<Hitachi Zosen Inova Steinmüller GmbH>

本社所在地:ドイツ ノルトラインヴェストファーレン州 Gummersbach
代表者 :Thomas Kurt Feilenreiter (Managing Director)
事業内容 :ごみ焼却発電プラントの設計・調達・建設・メンテナンスなど。

 ニュースリリース