芝浦機械 が11月9日に発表した2023年3月期第2四半期累計(4〜9月)の受注高は1,100億4千1百万円(前年同期比26.7%増)、売上高は589億5千2百万円(同9.8%増)となった。営業利益は16億7千万円(同29.7%減)、経常利益は21 億5千6百万円(同8.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は18億4千7百万円(同3.1%増) となった。
4〜9月期における世界経済は、中国において経済活動の停滞がみられたことや、米国においてインフレや金融引き締めの影響を受け景気減速リスクが高まるなど景気回復ペースが鈍化した。また、新型コロナウイルス感染症、中国におけるロックダウン、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、部材需給逼迫やエネルギー価格高騰などさらなるサプライチェーンの混乱が生じており、先行き不透明な状況が続いている。国内経済は生産、設備投資に持ち直しの動きが見られたが、サプライチェーンの混乱や急激な円安などの影響を受けた。
芝浦機械グループを取り巻く経済環境は、中国におけるロックダウンの影響を受けたものの、前年度より 引き続き設備投資需要が回復基調で推移した。また、世界的に脱炭素化などの社会課題解決に向けた動きが 加速していることを背景として、EV、再生可能エネルギー、労働生産性向上などに関連した需要の拡大が見られる。
このような経済環境のもとで、芝浦機械グループは中期経営計画である「経営改革プラン」に基づき、高収益企業への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、資本効率(ROE)の向上を目指した財務戦略の実行に取り組むとともに、社会課題を解決する高付加価値商品の創出と高効率な生産の実現に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している。成長分野に対応した投資においては、市 場規模が拡大している超精密加工機、脱炭素化を背景としたEV需要の高まりにより受注が急拡大しているリチウ ムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の増産体制構築を進めた。また、成長市場であるインドにお いてインド工場の射出成形機の生産能力増強のため新工場の増設を進めている。
■セグメント別の概況
<成形機事業>[射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など]
射出成形機においては、販売および受注はロックダウンの影響により中国で減少したものの、脱炭素化の動きを背景に北米の中大型電動機が増加したことに加え、 経済活動が活発化しているインドで油圧機が増加した。ダイカストマシンにおいては、販売は国内、東南アジアにおける自動車向けが増加した。受注は国内、韓 国、北米で自動車向けを中心とした設備投資需要が回復したことにより増加した。押出成形機においては、販売は中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が増加したものの、台湾、韓国における光学用シート・フィルム製造装置が減少した。受注はEV関連の設備投資需要の拡大に伴い、中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が増加した。
この結果、成形機事業全体の受注高は903億7千8百万円(前年同期比34.9%増)、売上高は404億2千6百万円(同5.2%増)、営業利益は10億4千9百万円(同43.7%減)となった。
<工作機械事業>[工作機械(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤など)、超精密加工機など]
工作機械においては、販売は国内における産業機械向けおよび北米におけるエネルギー向けが増加した。 受注は北米におけるエネルギー向けおよび中国における風力発電向けが増加した。超精密加工機においては、販売は国内、中国における光学系金型向けが減少した。受注は光学系金型向け が国内で増加したものの中国で減少した。
この結果、工作機械事業全体の受注高は146億4千1百万円(前年同期比1.2%減)、売上高は137億3千1百万円(同25.0%増)、営業利益は3億1千3百万円(同30.5%増)となった。
<制御機械事業>[産業用ロボット、電子制御装置など]
制御機械においては、販売は国内におけるシステムエンジニアリングおよび電子制御装置が増加した。受 注は国内における電子制御装置が減少した。
この結果、制御機械事業全体の受注高は42億7千9百万円(前年同期比5.6%減)、売上高は42億4千4百万円(同11.5%増)、営業利益は2億2千2百万円(同14.8%減)となった。
<その他の事業>
その他の事業全体の受注高は7億4千2百万円(前年同期比46.4%増)、売上高は5億4千9百万円(同18.7% 増)、営業利益は6千6百万円(前年同期は営業損失7百万円)となった。
■2023年3月期連結業績の見通し
2023 年 3 月期通期の連結業績予想については、第2四半期時点での受注・売上状況、部材・エネルギー価格高騰の影響、今後の為替レートの見通し等を勘案した結果、以下のとおり修正した。
売上高1,300億円(前期比20.6%増)、営業利益50億円(同18.0%増)、経常利益54億円(同18.8%増)、親会社株主に帰属す る当期純利益43億円(同15.4%増)。
なお、業績予想の前提となる為替レートについては、1US ドル 137 円としている。
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