㈱クボタが11月9日に発表した2022年12月期第3四半期累計(1〜9月)連結業績によると、売上高は前年同期比3,125 億円(19.0%)増加して1 兆9,542 億円となった。国内売上高は水・環境部門が増収となったが、機械部門では減収となったため、前年同期比44億円(1.0%)減の4,416 億円となった。海外売上高は機械部門、水・環境部門ともに増収となり、前年同期比3,170 億円(26.5%)増の1 兆5,126 億円となった。
営業利益は値上げ効果や為替の改善などの増益要因があったが、原材料価格の上昇や物流費の増加などの減益要因により、前年同期比281 億円(13.3%)減の1,834 億円った。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を133 億円(9.1%)下回る1,333 億円となった。
■部門別の概況
<機械部門>
同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成されている。同部門の売上高は前年同期比21.3%増加して1 兆7,080 億円となり、売上高全体の87.4%を占めた。
国内売上高は前年同期比3.9%減の2,296 億円。農業機械及び農業関連商品が米価低迷や経営継続補助金の終了により減収となった。
海外売上高は前年同期比26.5%増の1 兆4,784 億円。北米では、トラクタは市場が縮小傾向にあるもののディーラー在庫充足のために出荷が進んだこと、建設機械はインフラ工事需要により増収となった。欧州では、建設機械、エンジンを中心に堅調に推移した。アジアでは、タイでは前年の政府事業の反動により稲作向け機械は減少となったが、畑作市場の開拓が堅調に進んでいる。中国では、排ガス規制前の駆け込みもありトラクタは増加したが、上半期のロックダウンによる田植機などの減販をカバーするには至らなかった。インドでは、第2 四半期からエスコーツ Ltd.(現エスコーツクボタ Ltd.、以下「EKL 社」)を連結子会社化しており増収となった。
同部門のセグメント利益は値上げ効果や為替の改善などの増益要因があったが、原材料価格の上昇や物流費の増加などの減益要因により前年同期比13.3%減少して1,863 億円となった。
<水・環境部門>
同部門はパイプシステム関連製品(ダクタイル鉄管、合成管等)、素形材・都市インフラ関連製品(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ等)により構成されている。同部門の売上高は前年同期比7.1%増加して2,288 億円となり、売上高全体の11.7%を占めた。
国内売上高は前年同期比4.0%増の1,947 億円。環境関連製品は前年の排水ポンプ車特需の反動により減収となったが、パイプシステム関連製品は値上げの効果により増収となった。海外売上高は、反応管など素形材が好調で前年同期比29.2%増加し、341 億円。
同部門のセグメント利益は値上げ効果があるものの、原材料価格の上昇により前年同期比36.8%減少して107 億円となった。
<その他部門>
同部門は各種サービス事業などにより構成。同部門の売上高は前年同期比13.7%減の173 億円となり、売上高全体の0.9%を占めた。同部門のセグメント利益は前年同期比22.3%増加して29 億円となった。
■連結業績予想に関する定性的情報
2022 年12 月期の売上高は前回予想時(2022年8月3日)から400 億円減の、2 兆6,000 億円を見込んでいる。北米でのアタッチメント不足による出荷遅れやタイでの洪水発生により販売量の減少が想定されるため、下方修正とした。
営業利益の予想については減販の影響を踏まえ、前回予想を200 億円下方修正し、2,400 億円とした。また、税引前利益は前回予想比190 億円減の2,540 億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前回予想比120 億円減の1,730 億円とした。
業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=132 円、1ユーロ=137 円としている。
コメントを投稿するにはログインしてください。