三菱ロジスネクストが11月1日に発表した2023年3月期第2四半期(4〜9月)連結業績によると、売上高は、2,795億9千5百万円(前年同期比29.4%増加) となった。利益面については、原材料及び輸送費の高騰影響に加え、部品欠品による国内の減収が響き、営業利益は10億8千1百万円(同30.8%減少)、経常利益は10億2千7百万円(同28.3%減少)、親会社株主に帰属する四半期純損失は13億5千1百万円(前年同期は2千6百万円の利益)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、営業利益は62億1千7百万円(前年同期比1.4%減少)となり、営業利益 率は2.2%となっている。
■経営成績に関する説明
第2四半期連結累計期間における世界経済は、欧米諸国を中心に物価上昇が予想以上に加速し金融引き締めを招いたほか、中国では新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンや不動産市場の冷え込みなどを受け景気が減速、更には、2月以来続いているロシアのウクライナ侵攻による影響もあって、世界経済の大幅な減速懸念が高まり、一部地域においては実際に減速が始まっているものと思われる。また、コロナ禍からの急激な 回復局面で引き起こされた、資源高・原材料市況や輸送運賃の高騰・サプライチェーンの混乱も、地域差はあるものの依然として継続しており、世界経済の不透明感は増すばかりとなっている。
このような中、フォークリフトを始めとする物流機器市場は、国内においては、コロナ禍前を超えるまでの水準になってきており、海外においては、米州では物流ニーズの高まりによりコロナ禍前を上回る需要が継続しているが、その一方で、欧州はロシアからのエネルギー供給問題などで企業活動鈍化の気配が出始めており、 好調だった市場は弱含みに推移している。また、アジアは引き続き堅調に推移しているが、中国はゼロ コロナ政策の推進などによる影響もあって市場の減速感は否めない。
同社においては、グループ各社の受注は概ね順調ではあるが、半導体不足から始まった様々な部品供給の 遅れによるリードタイムの長期化、原材料費・輸送費を始めとしたコスト高は前年度から継続している。そうした状況下で、国内は部品欠品から出荷が進まず、また、中国では景気減速局面での伸び悩みがある一方で、欧米では出荷促進や価格改定の効果が出始めてきている。しかしながら、世界経済の減速懸念が高まる中で、 予断を許さない状況が続いていることに変わりはなく、引き続き部品供給の確保・整流化による出荷促進に取り組むとともに、併せてコストの削減にも注力していく。
■セグメント別経営成績
〔国内事業〕
国内事業は、受注は堅調に推移しているものの、部品欠品から出荷が進んでいないことにより、売上高は803億 2千5百万円(前年同期比3.9%減少)となった。セグメント損失は、売上高の減少に加え、コスト高の影響 もあり、15億円(前年同期3億4千5百万円の利益)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は9億1千5百万円(同66.6%減少)となっている。
〔海外事業〕
海外事業は、米州、欧州を中心とした販売台数の増加に加え、為替の円安影響も寄与し、売上高は1,992億7千万円(前年同期比50.4%増加)となった。セグメント利益は、原材料及び輸送費の高騰影響はあるものの、 売上高の増加に加え、価格改定の効果が出始めてきていることなどにより、25億8千1百万円(前年同期比 112.0%増加)となった。
なお、のれん等償却の影響を除くと、セグメント利益は53億2百万円(前年同期比48.6%増加)となっている。
特に米州においては、好調な受注を背景に大きく売上高を増加させ、原材料及び輸送費の高騰は依然として継続してはいるが、販売子会社のリース・レンタル事業の好調や価格改定効果もあり、これらがセグメント利益の増加に寄与した。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
連結業績予想については、2022年5月12日公表した通期の連結業績予想を下記のとおり修正した。
売上高6,100億円(前期比31.1%増)、営業利益115億円(同220.1%増)、経常利益100億円(同208.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益35億円(同388.0%増)。
■修正の理由
米州の販売増やリース・レンタル事業、為替の円安影響も寄与している一方で、半導体不足から始まった様々な部品供給の遅れによるリードタイムの長期化、原材料費・輸送費を始めとしたコスト高 は前年度から継続しており、また世界経済の減速懸念が高まる中で、予断を許さない状況が続くと見られるが、第2四半期までの実績と足元の事業環境や直近の受注環境を踏まえて、2023 年3月期の 通期連結業績予想を修正した。
売上高は 2022 年5月に発表した業績予想を約 13%上回る見通し。また、利益については、 資材費の高騰等による変動費の悪化も見込まれる一方で、売上高の増加や価格改定の効果、為替レー トが想定以上の円安水準で推移したことなどが寄与し、営業利益、経常利益、当期純利益すべての利益項目において、2022 年5月に発表した業績予想を上回る見込み。
なお、のれん等償却前営業利益につきましては、前回発表と比較して 40 億円の増額となる 215 億 円を予想している。
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