ナブテスコが10月31日に発表した2022年12月期第3四半期連結累計期間(2022年1〜9月)の業績によると、売上高は、建設機械向け油圧機器において中国市場の需要低迷が継続したものの、精密減速機において産業用ロボット向けの高い需要により、前年同期比4,815百万円(2.2%)増加し218,932百万円となった。営業利益は、11,484百万円(△44.8%)となり、売上高営業利益率は5.2%となった。主にコンポーネントソリューション事業における原材料価格及び物流費高騰等の影響、油圧機器での中国市場における売上減少による減益に加え、アクセシビリティソリューション事業では、コロナ影響により海外プラットホーム ドア案件において工期延長等によるコスト増加が発生した。また、㈱ハーモニック・ドライブ・システムズの株式売却に伴う 評価益等を計上したことにより、税引前四半期利益は16,892百万円(△83.4%)、親会社の所有者に帰属する 四半期利益は10,622百万円(△83.2%)となった。
■ セグメント別概況
<コンポーネントソリューション事業>
コンポーネントソリューション事業の受注高は、前年同期比8,828百万円(8.4%)増加し113,623百万円となった。売上高は、同1,322百万円(1.3%)増加し101,520百万円、営業利益 は、同5,413百万円(△32.4%)減少し11,290百万円となった。
精密減速機は、産業用ロボット向けで高い需要が継続したことに加え、半導体製造装置向けやEV 製造設備関連でも高い需要があったことから、売上高は前年同期比で増加となった。
建設機械向け油圧機器は、中国市場の需要低迷が継続したことに加え、第2四半期において上海市の都市封鎖(ロックダウン)により中国子会社の操業が一時停止したことにより、売上高は前年同期比で減少となった。
<トランスポートソリューション事業>
トランスポートソリューション事業の受注高は、前年同期比13,121百万円(28.5%)増加し59,079百万円となった。売上高は、同492百万円(1.0%)増加し48,360百万円、営業利益は、 同94百万円(2.5%)増加し3,823百万円となった。
鉄道車両用機器は、MRO(Maintenance, Repair, Overhaul)は堅調に推移したものの、国内及び 海外市場において新車向け需要が低迷し、売上高は前年同期比で減少となった。
航空機器は、防衛省向けでの調達品納入遅延等の影響があったものの、民間航空機向けで需要が緩やかに回復し、売上高は前年同期並みとなった。
商用車用機器は、顧客の生産調整による減産の影響を受けたものの、東南アジア市場の回復により、売上高は前年同期並みとなった。
舶用機器は、造船・海運市場が好調に推移したことにより、売上高は前年同期比で増加となった。
<アクセシビリティソリューション事業>
アクセシビリティソリューション事業の受注高は、前年同期比12,045百万円(21.5%)増加し
68,026百万円となった。売上高は、同4,246百万円(8.0%)増加し57,159百万円、営業利益 は、同3,057百万円(△58.9%)減少し2,136百万円となった。
自動ドア事業は、国内・海外ともに堅調に推移したことに加え、円安効果もあり、売上高は前年同期比で増加となった。
<その他>
その他の受注高は、前年同期比2,403百万円(△14.7%)減少し13,972百万円となった。売上高は、同1,245百万円(△9.5%)減少し11,892百万円、営業利益は、同1,235百万円(△68.6 %)減少し565百万円となった。
包装機は、製品売上・MROともに電子部品等の調達品遅れが継続したことにより、売上高は前年 同期比で減少となった。
■連結業績予想等の将来予測情報に関する説明
2022年12月期第3四半期連結累計期間の連結業績及び今後の動向等を踏まえ、2022年7月29日に公表した2022年12月期通期の業績予想を下記のとおり修正した。
売上高3,080億円(前期比2.7%増)、営業利益210億円(同30.0%減)、税引前利益306億円(同70.0%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益205億円(同同68.4%減)。
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