東洋機械金属が10月26日に発表した2023年3月期第2四半期(2022年4〜9月)連結業績によると、 受注高は18,004百万円(前年同期比0.3% 増)、売上高は17,043百万円(同7.3%増)となった。このうち、国内売上高は4,462百万円(同22.9%増)、 海外売上高は12,580百万円(同2.7%増)となり、海外比率は73.8%となった。利益については、売価改善に努めたが、部材仕入価格の高騰や長納期化に伴う生産操業度の悪化、継続する海上輸送費などの諸経費の値上がりの影響を受け、営業利益は660百万円(前年同期比8.0%減)、経常利益は781百万円(同2.5%減)、 親会社株主に帰属する四半期純利益は429百万円(同4.3%減)となった。
4~9月における世界経済は、新型コロナウイルス感染症により停滞した経済活動が回復基調にあったが、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に伴う資源価格の高騰、欧米におけるインフレ加速に伴う政策金利の引き上げ、中国でのゼロコロナ政策による経済活動抑制の影響な ど、先行きの不透明感が継続している。わが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する防疫と行動の制限緩和の両立が進み、社会経済活動が正常化へと向かった一方で、急激な円安による為替相場の変動、エネルギー資源や原材料価格の高騰、半導体をはじめとする部材需給の逼迫などにより、依然としてサプライチェーンの混乱は続き、景気の先行きは不透明感を増している状況で推移した。
同社グループの事業に関連する市場においては、業界の設備投資意欲は、国内・海外共に回復しており、需要は堅調に推移しているが、主要部材の供給制約に伴う部材の調達難や価格高騰、エネルギー価格やコンテナ不足に伴う物流費の上昇など、コスト面で不安定な状況となった。
■製品別の売上の状況
[射出成形機] 射出成形機については、国内は自動車部品関連、日用雑貨や容器類などの生活用品関連が増加した。海外においては、中国でのIT電子機器や医療機器関連の小型機が減少したが、アジアでの自動車関連や米国や欧州における生活用品関連の中大型機が増加した。
この結果、 受注高は14,321百万円(前年同期比 10.4%増)、売上高は13,138百万円(同4.1%増)となった。このうち、海外売上高は9,715百万円(同2.0% 減)となり、海外比率は73.9%となった。
[ダイカストマシン] ダイカストマシンについては、受注は国内、海外共に減少したが、国内は自動車関連の売上が増加した。海外においては、中国や東南アジアでの自動車関連が増加した。
この結果、受注高は3,682百万円 (前年同期比25.8%減)、売上高は3,905百万円(同19.8%増)となった。このうち、海外売上高は2,865 百万円(同22.7%増)となり、海外比率は73.4%となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
通期の連結業績予想については、売上高は海外・国内経済の回復を背景に成形機の需要が堅調に推移していることから、概ね予想通りに推移することが見込まれる。しかし利益面においては、部材調達環境は想定以上に悪化しており、部材仕入価格が大幅に高騰することが見込まれる。さらに長期化する部材供給不足に伴う生産効率の悪化により、原価率が上昇する見込み。これらの動向を踏まえ、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を前回予想から下記のとおり修正した。
売上高33,300百万円(前期比0.1%増)、営業利益740百万円(同58.0%減)、経常利益960百万円(同51.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益620百万円(同51.4%減)。
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