日立建機、22年4~9月期売上は22.2%増の5,789億円、通期予想は13.2%増の1兆1,600億円に上方修正

 日立建機が10月26日に発表した2023年3月期第2四半期(2022年4~9月)連結業績によると、売上収益は、コンストラクション・マイニングの新車販売に加えて 部品サービスを中心としたバリューチェーン事業も前年同期比で大きく増加した上、為替の円安影響等も加わって、5,789億2百万円(対前年同期増減率22.2%)となった。

 利益項目について、調整後営業利益は、前第2四半期に計上した一過性の利益である米州向け 販売価格決定による調整額がなくなり、鋼材価格を中心としたコスト増加等があったが、売上収益の増加や為替影響等によって、520億6千8百万円(同36.7%)と大幅な増益となった。親会社株主に帰属する四半期利益は、356億8千1百万円(同11.9%)となった。  

 日立建機2023年3月期第2四半期データ

 日立建機グループは、2023年3月期を最終年度とする3カ年の中期経営計画「Realizing Tomorrow’s Opportunities 2022 明日の好機をつかみとれ」において、①バリューチェーン事 業の強化、②お客さまとのあらゆる接点で深化したソリューションを提供、③変化に強い企業体 質の形成、そして、新たに④「北中南米全域で戦略を実現」を加えた4つの経営戦略で、現在、 持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいる。

 第2四半期連結累計期間(2022年4〜9月)における油圧ショベル需要は、同社の予想通り前年同期比で減少となった。地域別の需要では、前年同期比で中国やロシアCISが大幅に減少し、日本や西欧、北米といった主要先進国地域も減少した。一方、マイニング需要は、高水準の資源価格を背景とした顧客の高い投資意欲や鉱山再稼働に伴う休車機のオーバーホール需要が継続していることから、堅調に推移した。

■セグメントの業績

①建設機械ビジネス

 第2四半期連結累計期間の売上収益は、5,195億5千4百万円(同20.7%)、調整後営業 利益は、474億6千万円(同36.8%)となった。

 第1四半期において発生した調達・物流の遅れによる事業影響は、第2四半期では大きく改善した。また今年度から本格的に独自展開を開始した米州事業も見通し以上に順調に立ち上がり、各地の旺盛な受注にも支えられ、コンストラクション・マイニングの新車 販売だけでなく部品サービスを中心としたバリューチェーン事業も好調に推移し、前年同期比で大きく伸長した。

②ソリューションビジネス

 同事業は、主としてマイニング設備及び機械のアフターセールスにおける部品サービス事業を行うBradken Pty Limited及びその子会社と、サービスソリューションを提供するH-E Parts International LLC及びその子会社で構成されている。

 第2四半期連結累計期間の売上収益は、マイニングの市場環境が堅調に推移したことに為替影響等が加わった結果、625億9千2百万円(同40.3%)となった。調整後営業利益は、鋼材価格を中心としたコスト増加の影響を受けたものの、売上収益の増加と為替影響等により46億8百万円(同34.9%)となった。

 なお、上記、①②の売上収益については、セグメント間調整前の数値。

■2022年度の業績見通し

 2022年度の油圧ショベル需要については、年度当初からの見通しを変えず、世界全体で約22万4千台(前年同期比△11%)と見込んでいる。マイニング製品の需要についても年度当初からの見通しを維持し、ロシア以外の主要地域では堅調に推移すると見込んでいる。

 2023年3月期連結業績予想(2022年4〜2023年3月)については、下期も油圧ショベ ル需要は前年同期比で減少が続き、調達・物流リスクも潜在的に続くものと想定しているが、 第2四半期累計実績が7月時点の計画を上回ったことと、部品サービスを中心としたバリューチ ェーン事業が下期も伸長すること等を織り込み、下記のとおり上方修正した。

 2022年度の売上収益は、1兆1,600億円(前期比13.2%増)、調整後営業利益1,100億円(同17.6%増)、親会社株主に帰属する当期利益670億円(同11.6%減)。

 なお、第3四半期以降の前提為替レートについては、7月時点の公表値(米ドル 130円、ユーロ140円、人民元19.5円、豪ドル90円)を据え置いている。

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