コマツ、20トンクラスの電動油圧ショベルをbauma 2022に初出展

・米国プロテラ社との中小型クラス油圧ショベルの電動化協業

・安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を加速

 コマツは10月19日、10月24日から30日まで、ドイツのミュンヘンで開催される国際的な建設機械見本市「bauma 2022」において、リチウムイオンバッテリーシステム搭載の20トンクラス電動油圧ショベルを初出展すると発表した。当該機は米国のプロテラ社のリチウムイオンバッテリーシステムを搭載している。両社は2021年1月より、中型クラスの油圧ショベル電動化に向けて共同開発を行い、顧客の施工現場における先行研究車の実証実験を進めてきた。当該機は、2023年度より、日本および欧州市場への導入を予定している。

 油圧ショベルは建設機械の中でも汎用性が最も高く、特に中型クラスは、土砂の掘削や積込み作業を中心に幅広い現場や用途で使用され、高負荷作業に耐えうるパワーや耐久性が求められる。同機種は、世界の各分野の高負荷対応や商用の車両向けに実績があるプロテラ社提供のリチウムイオンバッテリーと、作業機操作のための油圧ポンプ、コントローラー、電動モーターなどのコンポーネントを、コマツ独自のすり合わせ技術により協調させることで、車体制御システム全体を最適化するとともに、堅牢なバッテリーの保護構造を開発した。これにより、エンジン駆動式油圧ショベルと同等の掘削性能や耐久性を実現した。また、搭載バッテリーの大容量化により、フル充電状態で最大8時間*の稼働が可能となる。

 電動化により、騒音や排気ガスを気にすることなく様々な作業環境で快適に作業することが可能となり、都市部での作業や夜間工事などでの活用が見込まれるほか、エンジン振動ゼロによりオペレーターの疲労軽減にも貢献する。

 世界的な気候変動への意識の高まりが加速する中、コマツは持続可能な社会の実現を目指し、2050年までのカーボンニュートラル達成を宣言しており、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現に向けて、パートナーとの協業により、“排気ガスゼロ”や騒音の大幅低減を実現する建設機械の電動化開発を進めている。

 コマツは中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」 に掲げている、ダントツバリュー(収益向上とESG課題解決の好循環を生み出す顧客価値の創造)を通じて、未来の現場に向けた次のステージに踏み出し、サステナブルな未来を次の世代へつないでいくため、新たな価値創造を目指していく。

*作業負荷状況により、実証実験において5~9時間の稼働を実現

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