アサヒビール、佐賀県および鳥栖市と新工場の進出協定を締結、2026年から操業開始

・土地購入費用で約91億円、その他建設費用などで約400億円を投資予定

・CO2吸収量が排出量を上回る「カーボンネガティブ」2026年中の実現を目指す

 アサヒビール(東京都墨田区)は10月14日 、2026年から操業開始を予定している新工場の名称を「アサヒビール鳥栖工場」に決定するとともに、佐賀県および鳥栖市と「アサヒビール株式会社の鳥栖市への進出に関する協定書」を締結したと発表した。土地の購入費用は約91億円。土地の購入以外に工場移転に伴う建設費用などで約400億円の投資を予定している。

 鳥栖工場はアサヒグループの次世代生産体制のモデル工場として、製造方法の刷新などによりエネルギー使用量を従来比で50%削減し、使用するエネルギーの再生可能エネルギー化も推進する。さらにCO2回収技術の導入などにより、CO2吸収量が排出量を上回る「カーボンネガティブ」を2026年中に実現を目指す。またビール類・ノンアルコールビールテイスト飲料・RTD・アサヒ飲料商品などグループの多様な商品や容器の製造を行い、物流面での効率化と工場の操業度の向上を図る。今回の移転に伴い、九州エリアへ出荷する大部分の商品が鳥栖工場で製造・出荷が可能となる。九州エリア内の需給率向上と配送距離短縮により、物流におけるCO2排出量は従来比で30%削減となる見込み。

 今回の移転先は品質を担保したビール類や飲料などの生産能力を十分に確保できることや、天災などの不測の事態に備えた事業継続計画(BCP)の観点で検討した。佐賀県鳥栖市は九州全域への効率的な供給や十分な水量を確保できる立地であり、敷地面積を含めて最も条件に合致したため選定した。敷地面積は現在の博多工場と比較して2倍以上となり、想定年間生産量は1.3倍となる。

 アサヒグループは『中長期経営方針』に基づき、日本全体の最適生産・物流体制の構築、サステナビリティ戦略の高度化に取り組む。国内ビール工場の生産能力を最適化することで操業度の向上を図るとともに、酒類や飲料などの多品種製造が可能なハイブリッド工場の拡大展開により、グループ全体でのコスト競争力向上とさらなる効率化を推進する。またサステナブルな生産設備を導入する新工場をモデル工場として、エネルギーの抜本的な効率化をはじめ、CO2回収技術の導入によるカーボンネガティブの早期実現を目指す。一連の再編により創出する原資を再投資し、将来的には国内グループ全生産拠点におけるカーボンネガティブの実現により、持続可能な社会への貢献と未来のステークホルダーからも信頼されるグループを目指していく。

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