中国の工作機械業界 、10 年の更新サイクル段階に入り、 受注が急増

・ハイエンド工作機械の「自立性と制御可能性」は、早急なブレークスルーが待たれる

 CHPSA(中国油圧空気圧シール工業協会):2022 年 9 月 27日、出所:智通財経網より

 9 月 23 日、CCTV 金融・経済報道(中:央視財経報道)によると、目下の新エネルギー 車需要の恩恵を受け、多くの工作機械メーカーは年初から好況感が増している。東莞のある 工作機械メーカーは、今年の年初から受注が急増し、今年は 5,000 m²の新設工場が稼働しているが、生産能力は依然として受注増加の需要を満たせないでいる。業界の関係者は、現在、 国内の工作機械はすでに 10 年の更新サイクル段階に入っており、更新需要の到来は、業界 の高い好況感の持続を力強く支えている。

 「専精特新」(専門的で洗練された新しい)が進む産業用マザーマシンは、国の「チェーンを補完、強化」し、スタックネック(死命を制する)技術の主要な分野を突き破っており、最も利益を得ているのはコア技術を習得した大手企業である。

 CCTV 金融・経済報道記者は、多くの工作機械メーカーを訪問して知りえたことは、 各社は、多くの新エネルギー車メーカーから絶えず出荷を催促されており、工作機械メーカーが品質を保証した上で出来るだけ早い納品を希望していることである。

 新エネルギー車や5G などの新興業界の急速な発展に伴い、ミドルとハイエンド工作機械に対する市場の需要はますます旺盛になっている。しかも、外国からの輸入工作機械は、 納期のリードタイムが長く、値が張ることから、国内の工作機械メーカーにより多くの機会 を提供している。

 数値制御(NC)工作機械(中:数控機床)は国の重器であり、国産代替空間は大きいと言われている。宇宙ロケットの推力エンジンの製造、船舶のプロペラ、大型発電機のローターの生産から、国産工業体系全体の発展に至るまで、工作機械なしでは成り立たず、工作 機械は、国の重工業全体を支えている「製造業の王冠の上の真珠」と称されている。

 「中国製造 2025」は、高品位 NC 工作機械とロボットを強力に推進する 10 プロジェ クトの重点分野の一つとして挙げられており、精密で、高速、高効率なフレキシブル NC 工 作機械及び基本的な製造装備と統合製造システムの開発を提案している。

 高品位 NC 工作機械などの最先端技術と装備の研究開発を加速して、2025 年までに、 高品位 NC 工作機械及び基本的な製造装備の国内市場シェアを 80%超にし、高品位 NC 工 作機械及び基本的な製造装備全体を世界強国の仲間入りを果たす計画である。

 世界の先進国のベンチマークでは、日本の工作機械の NC 化率は 90%を超えており、 ドイツの工作機械の NC 化率は 75%を超え、米国の工作機械の NC 化率は 80%を超えて いる。対照的に、近年、我が国の工作機械の NC 化は 2000 年の 7.79%から 2021 年には 41.11%と向上を続けているが、先進国の高品位の NC 化率と比べると、まだ大きな改善余地がある。

 ファナック、三菱電機、シーメンスなどの外資系企業は、国内の高品位 NC 工作機械システムの市場シェアは 60%以上を占めており、国産代替には広大なスペースがある。

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