㈱安川電機 は10月7日、2023年2月期第2四半期2022年3〜8月)連結業績によると、売上収益は、2,635億28百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益312億60百万円(同16.4%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は237億7百万円(同12.0%増)となった。
■第2四半期の経営成績
第2四半期における安川電機 グループの経営環境は、製造業全般における生産の高度化・自動化を目的とした設備投資が継続的に行われた。グローバルにEV化やリチウムイオン電池関連などの需 要拡大が継続したことに加え、米国を中心に半導体・電子部品市場において設備投資が積極的に行われた。なお、中国においては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うロックダウンからの正常化に向けた動きがみられたものの、設備投資の本格的な回復には至らない状況だった。
このような環境において安川電機 グループの業績は、半導体など長期化する部品の供給不足によって生産制約の影響を受けたが、代替部品の活用や設計の変更、市中品の購入などによって期の後半から生産を挽回し、売上収益は前年同期比で増加した。利益面については原材料費や物流費 の大幅な高騰影響を受けたが、価格転嫁を進めたことに加え、為替の円安影響や退職年金制度 の変更によるその他の収益などもあり、増益となった。これらの結果、売上収益・営業利益は 上期としては過去最高を更新した。
なお、第2四半期における安川電機 グループの地域別の経営環境は以下のとおり。
日 本:半導体・電子部品市場をはじめ自動車市場などの需要が高水準で推移した。
米 国:自動車・半導体関連の需要が力強く伸長し、労働力不足・人件費高騰を背景とした自動化投資が継続した。また、オイル・ガス関連需要も高い水準 が継続するなど、総じて拡大基調となった。
欧 州:自動化投資が継続して行われるなど、自動車や木工機械などを中心に需要は 堅調に推移した。
中 国:EV化の加速を背景に自動車関連やニューインフラ関連の需要は堅調に推移した一方、コロナ禍によるロックダウンの影響を大きく受け、一般産業などで 設備投資が減少するなど、需要は伸び悩んだ。
中国除くアジア:韓国を中心に自動車関連や半導体関連の需要が高水準で推移し、リチウムイオン電池関連の設備投資も伸長した。
■セグメント別の状況
<モーションコントロール>
売上収益 1,213億12百万円 (前年同期比 +4.1% )/営業損益 157億99百万円 (前年同期比 △19.7%)
モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で構成されている。 中国でロックダウンの影響を受けたが、米国を中心に半導体関連やオイル・ガス関連などの積極的な設備投資が継続したことから、売上収益は前年同期比で増加した。利益面においては、中 国での売上減少に伴う利益の減少や、グローバルでの原材料費や物流費の高騰影響により減益となった。
〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 米国・日本などで半導体・電子部品需要が高い水準で継続した。中国においてはEV化やリチウ ムイオン電池関連ならびに太陽光発電用パネルなどの成長市場で需要が堅調に推移したものの、 一般産業において設備投資は低迷した。これらの結果、事業全体の売上収益は増加した。
〔インバータ事業〕 米国においてはオイル・ガス関連の設備投資が増加し、販売は好調に推移した。中国ではリチウムイオン電池関連などの需要や、生産設備の自動化・省エネ化に伴う需要が伸長した一方、ロックダウンの影響を受け売上は減少した。これらの結果、事業全体の売上収益は増加した。
<ロボット>
売上収益 1,035億71百万円 (前年同期比+19.9%)/営業損益 108億92万円 (前年同期比 +56.6%)
ロボットセグメントの主要市場である自動車においては、グローバルでEV化が加速し、リチウムイオ ン電池関連の生産設備の投資を拡大する動きが継続した。また、半導体・電子部品市場の需要拡 大を背景に、半導体ロボットの販売も好調に推移した。さらに、食品市場などの一般産業分野に おいても、人協働ロボット等の活用を通じた生産の高度化・自動化を目的とした投資が行われた。
これらの状況を受け、売上収益・営業利益はともに前年同期比で大幅に増加した。
<システムエンジニアリング>
売上収益 246億7百万円 (前年同期比△9.3%)/営業損益 108億92百万円 (前年同期比 +56.6%)
国内の上下水道用電気システム関連やアジアなどでの港湾クレーン関連の売上が伸び悩み、売上収益 は前年同期比で減少した。利益面では経費抑制を徹底したものの、売上の減少に伴い減益となった。
<その他>
売上収益 140億37百万円 (前年同期比+42.1%)/営業損益 3億57百万円 (前年同期比 3億36百万円増加)
その他セグメントは、物流サービス事業などで構成されている。 売上収益は国内の物流サービス事業を中心に前年同期比で増加し、営業利益は同事業の売上拡大に伴う採算性の改善により増加した。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
グローバルな自動車・半導体・電子部品市場の拡大や、中国におけるニューインフラ投資による需要が高い水準で推移している。ロボットセグメントを中心に好調な受注が継続していること から、生産・調達の強化を図ることで、売上収益の拡大に努めていく。一方、利益面については売上増加による改善はあるものの、原材料費や物流費の高騰影響が期初の想定より大きくなっていることから、2022年4月8日に公表した2023年2月期通期連結業績予想を下記のとおり修正した。
売上収益5,500億円(前期比14.5%増)、営業利益700億円(同32.4%増)、税引前利益7200億円(同30.0%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益515億円(同34.3%増)
なお、2022年9月1日から2023年2月28日までの期間における平均為替レートは、第1四半期決算発 表時点の計画から見直し、1ドル=120.0円から140.0円、1ユーロ=133.0円から140.0円、1元= 19.00円から20.00円といたします(韓国ウォンは据え置き1ウォン=0.100円)。
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