不二越、22年11月期第3四半期売上は10.9%増の約1,888億円、通期見通しは変えず

 ㈱不二越が10時6日に発表した2022年11月期第3四半期(2021年12月〜2022年8月)連結決算は、自動車分野で生産調整などがあったものの、産業機械・市販分野の需要が回復・拡大し、建設機械分野も堅調に推移したことにより、連結売上高は、1,887億85百万円(前年同期比10.9% 増)、このうち、国内売上高は907億11百万円(同4.2%増)、海外売上高は980億74百万円(同17.9%増)となった。利益面については、売上・生産の増加による操業度の改善に加え、原材料価格上昇分の販売価格への環流や、生産ラインの自動化・合理化による生産性の向上、調達コストダウンにとり組み、また、為替が円安で推移し た結果、営業利益は129億84百万円(同22.3%増)、経常利益は137億11百万円(同34.1%増)となり、親会社株主に帰 属する四半期純利益は92億76百万円(同30.2%増)となった。

■経営成績に関する説明
 第3四半期連結累計期間の不二越グループをとり巻く環境は、経済活動の正常化が進み、日本・欧米などの先進国経済の持ち直しが続くなか、総じて緩やかな回復が継続した。一方で、半導体不足による自動車の減産影響や中国での新型コロナウイルス対策による都市封鎖に加え、ウクライナ情勢の長期化に伴う原材料・エネルギー価格の高騰や、米国の政策金利引き上げの影響による急激な為替変動など、先行き不透明な状況が継続している。

 このような状況のもと、不二越グループは、中長期的な脱炭素・EV化をはじめとする産業構造の大変革を見据え、ロボット事業をはじめ、工具、工作機械、ベアリング、油圧機器、そして特殊鋼事業をあわせ持つ総合機械メーカーとしての特長を活かし、ユーザーのものづくりに寄与する新商品の開発や技術提案などにより、受注・売上の拡大にとり組んでいる。また、収益の改善に向けて、需要の変化に対応する世界の工場再編、合理化、内製拡大など、事業全般の構造改革を推進している。

■セグメントの経営成績
 機械工具事業では、産業機械・市販分野で需要回復が進む工具と、電機・電子分野やEV関連でのロボット需要の拡大により、売上高は593億1百万円(前年同期比10.7%増)となり、営業利益は55億19百万円(同76.9%増)となった。

 部品事業では、自動車分野において生産調整の影響があったが、建設機械・産業機械・市販分野で需要が回復・拡大し、売上高は1,173億40百万円(前年同期比9.3%増)となった。一方、営業利益は、操業度の改善に対して、原材料価格の高騰などの影響を大きく受け、64億43百万円(同12.5%減)となった。

 その他の事業では、特殊鋼需要の回復と販売価格の引き上げなどにより、売上高は121億43百万円(前年同期比 30.1%増)、営業利益は10億22百万円(同39.2倍)となった。

■今後の見通し
 2022年11月期通期連結業績予想については、2022年1月13日発表の予想数値(下記)から変更はないとしている。

 売上高2,500億円(前期比9.1%増)、営業利益170億円(同15.5%増)、経常利益160億円(同10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益110億円(同10.1%増)。

 ㈱不二越の2022年11月期の第3四半期連結決算短信

 第3四半期決算補足資料