・アルミリサイクル率向上でカーボンニュートラル実現に貢献、第1期工事 アルミ溶解炉・保持炉の操業を開始
YKK AP(東京都千代田区)は9月30日、四国製造所(香川県綾歌郡)のアルミ鋳造設備の再構築計画を開始すると発表した。専用設備の導入により、四国製造所におけるアルミリサイクル率(※1)を33%から2024年度には76%まで高め、カーボンニュートラル実現に向けて取り組む。今回、第1期工事として進めてきたアルミ溶解炉・保持炉の更新が完了し、9月30日から操業を開始した。
第1期工事となるアルミ溶解炉・保持炉の更新では、最新技術の導入により品質やコスト競争力の強化に加え、作業時や災害発生時の安全性向上や省エネなどの環境負荷低減に取り組み、製造過程でのCO2排出量を従来比で18%削減する。第1期工事の投資額は約9億円。
第2期工事ではYKK APで初となるリサイクル炉の新設を計画している。この稼働によりアルミの市中リサイクル材の投入比率を大きく高めることが可能となり、四国製造所におけるアルミリサイクル率を、現在の33%(※2)から、今中期計画最終年の2024年度には76%、2030年度には100%(※3)まで向上させる計画。
YKK APのサプライチェーン全体のCO2排出量において、もっとも排出割合が大きいのがアルミ材料の調達によるもの。これはアルミニウムを精製する際に大量の電気を必要とするためで、一方、アルミリサイクル材を用いた場合の鋳造にかかるCO2排出量は、新地金製造時のわずか3%程度と言われている。YKK APではすでに社内の製造工程で発生するリターン材はほぼ100%リサイクルしているが、第2期工事のリサイクル炉導入により市中リサイクル材の投入割合を高めることで、新地金の使用比率を下げ、CO2排出量を大きく削減することが可能となる。
第1期・第2期工事からなるアルミ鋳造設備再構築計画は、生産性や省エネ性能の向上による製造過程でのCO2排出量削減に加え、アルミリサイクル率の向上により、カーボンニュートラル実現に貢献していく。
<四国製造所 アルミ鋳造設備再構築計画 概要>
○第1期工事
着工 : 2021年10月
設備稼働開始 : 2022年9月
工事内容 : アルミ溶解炉、保持炉更新
設備投資 : 約9億円
○第2期工事
着工 : 2022年10月予定
設備稼働開始 : 2023年9月予定
工事内容 : リサイクル炉新設
設備投資 : 約5億円
<四国製造所 概要>
所在地 : 香川県綾歌郡宇多津町吉田4000
操業開始 : 1972年2月
敷地面積 : 324,300m2
延床面積 : 180,300m2
製造所長 : 秋谷 一樹
従業員数 : 700名(2022年4月1日現在)
製造品目 : 樹脂窓、アルミ樹脂複合窓、アルミ形材製品
※1:市中リサイクル材(市場から回収されるアルミスクラップ等の再生原料)によるリサイクル率
※2:2021年度実績
※3:リサイクル率を算出する分母から社内リターン材、添加金属を除く