川崎重工、タイの発電事業向けにクラス世界最高発電効率のガスエンジン4基を受注

 川崎重工業は9月21日、タイのエンジニアリング会社ESCO社(EGCO Engineering & Services Company Limited)から、同国の発電事業REN Korat Energy IPS※1 Project向けに「カワサキグリーンガスエンジン」4基を受注したと発表した。

 REN Korat Energy IPS Projectは、タイの大手電力事業者Ratch Group、タイ国営配電会社傘下のPEA Encom、工業団地オーナーのNavakakorn PLCの三社が共同出資するIPS事業会社REN Korat Energyがタイ東北部のナコーンラーチャシーマ工業団地内に30MW級のガスエンジン発電所を建設するもの。Ratch Groupが運営する発電事業向けの受注は、昨年7月のRatch Cogeneration Expansion Project向けに続く2件目となり、川崎重工の信頼性や技術力が高く評価されている。

 今回受注したガスエンジンは、2020年6月に販売開始した2段過給システムを搭載した7.8MW級の新型ガスエンジン「KG-18-T」4基。「KG-18-T」は、クラス世界最高の発電効率(51.0%※2)と短時間で発停可能な優れた機動性が特長で、工業団地内の電力需要の変動に柔軟に対応することができる。ESCO社は、REN Korat Energyから発電所建設業務を請け負い、川崎重工はESCO社に対して、ガスエンジン発電設備一式を納入する。発電所の運転開始は2024年初めの予定で、発電された電力はナコーンラーチャシーマ工業団地の需要家へ供給される。

 世界的に地球温暖化対策で再生可能エネルギーの普及が進む中、タイにおいても分散型発電の需要は今後も高まっていくことが予想されている。川崎重工は、Kawasaki Heavy Industries (Thailand) Co., Ltd.を販売・サービスの拠点として、現地に寄り添ったソリューションを提供するとともに、高い発電効率を誇るガスエンジンやガスタービンなど分散型のエネルギー供給に適した製品や、それらを組み合わせたコンバインドサイクルパワープラントの提案によってニーズに応える。

 今後も製品技術力のさらなる向上とプラントエンジニアリング力の強化に積極的に取り組み、エネルギー関連事業をグローバルに展開するとともに、多様な市場ニーズに的確に応えながら、エネルギーの安定供給と環境負荷の低減、低炭素・脱炭素社会の実現へ貢献していく。

※1 Independent Power Supply:工業団地内に電力と熱を供給する事業のこと
※2 日本国内都市ガスベース(40.6MJ/Nm³、メタン価=69)

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