昭和電工マテリアルズ、銅張積層板で約100億円の設備投資

・過去数年間で最大規模

・半導体パッケージ基板の需要拡大に対応

 昭和電工マテリアルズは9月15日、下館事業所および台湾のグループ会社Showa Denko Semiconductor Materials (Taiwan) Co., Ltd.(以下、SDSMT)において、2025年までに半導体パッケージ基板用銅張積層板の生産ライン・設備を導入し、生産能力を増強すると発表した。5Gやポスト5G社会を支える通信インフラ向け半導体の増加に伴う、半導体パッケージ基板の急速な需要拡大に対応することを目的としており、総投資額は約100億円を予定している。今回の能力増強で、グループの生産能力は従来の約2倍に増える見通し。

 新型コロナウイルス感染症の拡大によるリモートワークの浸透や5Gの普及に伴い、データセンターの大型サーバー等で、より膨大なデータを高速で処理することが可能な半導体パッケージの需要が高まっている。

 半導体パッケージを構成する基板には、面積の大型化や反り低減のための厚板化が求められ、そこに使用される銅張積層板は、半導体市場の伸びを上回る115%の成長*1が見込まれている。

 昭和電工マテリアルズは、今後のさらなる需要拡大に対応するため、このほど下館事業所およびSDSMTに、半導体パッケージ基板用銅張積層板の生産ライン・設備を導入する。

 下館事業所では、2025年までに一貫生産ラインを導入する。またSDSMTでは、既存の生産ラインの強化のため、一部工程の能力増強を行う。今回の2つの設備増強にかかる投資額は総額約100億円で、同社の銅張積層板事業の過去数年間における最大規模。

 昭和電工マテリアルズはこれまで、半導体パッケージ基板用銅張積層板を下館事業所、SDSMT、香港のグループ会社 SD Electronic Materials (Hong Kong) Limitedで製造していたが、2021年からは中国広州のグループ会社SD Electronic Materials (Guangzhou) Co., Ltd.でも生産を開始し、4拠点の供給体制を構築している。今回の投資により、グループ全体における同製品の生産能力はさらに高まり、従来の約2倍に増える見込み。

 昭和電工マテリアルズの半導体パッケージ基板用銅張積層板は、反り特性や平坦性などの実装信頼性に優れた点を強みとし、金額ベースで世界トップシェアを有している(2021年度)*2。特に、高い実装信頼性が必要なデータセンターで使用されるサーバー等の半導体パッケージでは不可欠な材料とされている。

 昭和電工グループは、半導体材料を今後の成長を担うコア成長事業に位置付けている。今回の製品供給体制の強化を通じて半導体の需要拡大に対応するとともに、市場の伸びを上回る成長を目指していく。

*1 出典:同社調べ
*2 出典:Prismark Partners, LLC
〈今回の投資を実施する拠点およびグループ会社所在地〉
下館事業所:茨城県筑西市
Showa Denko Semiconductor Materials (Taiwan) Co., Ltd.:台湾台南市

 ニュースリリース