ダイヘン、“撮って選ぶだけ”でロボットプログラムを自動生成

・「タブレットによる教示レスシステム」を販売開始、世界初

 ㈱ダイヘンは9月8日、タブレット(iPad Pro)でワークを撮影し、溶接したい箇所を選択するだけでロボットプログラムを自動生成する世界初の教示レスシステムを開発、販売開始すると発表した。

■ 開発の背景
 ものづくりの現場では、生産効率向上と労働力不足解消が喫緊の課題となっている。中でも中小工場においては「技能習熟度のバラツキ」「技能継承の難しさ」など特有の課題も抱えており、それらを解決するべく、ロボットなど自動化設備の導入が検討されている。

 しかし、ロボット教示にかかる作業の習熟に相当期間を要することに起因する“ロボット操作は複雑”というイメージや、中小工場でよく見られる少量多品種生産において頻繁に発生するプログラム作成(ロボット教示)による作業者の負担増などが、ロボットの導入を躊躇させる要因となっている。

 これらの導入障壁に対し、これまでロボットの教示を簡略化するアプローチとしてコンピュータ上のオフライン教示とレーザセンサの併用や人工知能(AI)を利用したシステムが提案されているが、いずれも専門的な技能が必要となりる。また、近年、協働ロボットの普及によりダイレクトティーチングによるロボット操作が提案されつつあるものの、結局はロボットを動作させることが必要となる。加えて、これらのシステムは導入コストが高く、採用に至る生産現場は限られている。

 そこでダイヘンは、「ロボットに対する熟練した知識・技能」や「コンピュータ上のプログラミングや専用機器」「ロボットの実動作」を必要とせず、タブレットで撮影した画像からロボットの移動点を選択するだけでプログラムを自動生成できる安価な教示レスシステムを世界で初めて開発した。同システムにより、ロボットの導入障壁を取り除き、工場の自動化領域を更に拡げ、人手不足解消や生産効率化、属人的業務の縮減といった社会課題解決に大きく貢献する。

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