住友化学、米国に半導体用プロセスケミカルの新工場を建設

・半導体ビジネスの米国市場での事業展開を加速

 住友化学は9月1日、100%子会社である韓国の東友ファインケムを通じて米国テキサス州に新会社を設立し、半導体用プロセスケミカルの工場を建設すると発表した。同事業の米国市場における戦略的な拠点として、旺盛な需要を確実に取り込み、米国市場での事業拡大を目指す。新工場の稼働開始は2024年度を予定している。

 住友化学は、半導体用プロセスケミカル事業について、1978年に千葉工場(千葉県市原市)で半導体製造の精密洗浄などに用いられる高純度ケミカルの生産を開始して以降、アジア各国において、顧客の需要に応じた供給体制を構築してきた。住友化学は、製品中の不純物をppt(parts per trillion=1兆分の1)レベルまで低減させる超高純度化技術や微小不純物分析技術に基づく品質保証体制という技術面での強みに加えて、機動的な供給体制整備により、国内外の半導体メーカーから高い評価を受けている。

 半導体需要は、5G対応デバイスの普及に加え、AIや自動運転等の先端技術の進展を背景に今後も伸長する見通し。そうした中、各国で生産体制を強化する産業政策が打ち出され、中でも米国では先端半導体メーカー各社が相次いで半導体工場の新増設計画を発表している。住友化学が半導体用プロセスケミカルの新工場の建設を決めたのは、こうした米国での旺盛な半導体材料の需要を確実に取り込むことを狙いとしている。また、住友化学は、アリゾナ州にある子会社の住友化学アドバンストテクノロジーズで化合物半導体事業を展開している。今回の新工場建設で、米国半導体産業の集積地であるテキサス・アリゾナ両州に拠点を築くこととなり、米国での半導体ビジネスの展開を一層加速させていく考え。

 住友化学は、経営として取り組む重要課題の一つに「ICT関連分野への貢献」を掲げている。半導体用プロセスケミカルの生産体制をグローバルに拡充し、高品質な製品を安定供給することにより、引き続きスマート社会やスマートモビリティの実現に欠かせない半導体産業の発展に貢献していく。

<新会社の概要>
会社名:Sumika Semiconductor Materials Texas Inc.
所在地:米国テキサス州
代表者:代表取締役会長 中西 輝
代表取締役社長 尹 東柱(ユン ドンジュ)
事業内容:半導体用プロセスケミカルの製造・販売等
資本金:130百万米ドル
設立年月:2022年9月(予定)

 ニュースリリース