ステラケミファ (大阪市中央区)は9月1日、主力製品である半導体用高純度薬液に関し、中小型容器の充填設備を刷新すると発表した。設備の刷新および集約を行い、国内外の半導体メーカーの需要拡大に応えていくべく、充填能力向上と効率化、工程費削減等を実現していく。
■背景
半導体の製造工程におけるエッチング・洗浄用薬液として、ステラケミファ の高純度フッ化水素酸および機能性薬液は、国内・海外の半導体メーカーでご使用されており、半導体市場の成長に伴いその需要は堅調に推移している。
このうち特に海外の半導体メーカーに向けた製品販売においては、機能性薬液の販売が増加傾向にあり、これには多様な品目が存在することも起因し、取扱いや運搬における利便性から中小型容器による供給を求められる傾向にある。また、国内半導体メーカーにおいても同様にその 要望が高まっている。中小型容器による製品出荷量は、2025 年には 2016 年 と比較すると約 2 倍に及ぶことが見込まれ、以後も増加していくものと予想している。
そのためステラケミファでは、長期的な視野に 立ち、ユーザーの要望に応えることで競争力の維持・強化を図るべく、 「中小型容器の充填能力強化」を第3 次中期経営計画の取り組み事項として掲げている。
<計画概要>
設備の場所:大阪府堺市堺区海山町7丁 227 番地 (ステラケミファ株式会社 三宝工場 )
工期:着工予定 2023年1月、竣工予定 2024年3月
投資金額(予定):約 54 億円
■効果
・充填能力:設備の刷新・集約により、中小型容器の充填能力は現在と比較すると大きく向上する。現在の 24 時間稼働の充填能力に対し、12 時間稼働でも約2倍の充填能力を有することとなる。
・業務効率化による工程費削減・人的資源の有効活用 :省力化や設備管理の効率化、また稼働時間を現在の半分とする場合でも約2倍の充填能力を実現できることから、人員配置や勤務体制の見直し(深夜勤務の廃止など)が可能となる。これにより、工程費が削減でき、さらにはダイバーシティの観点も含めた人的資源の 有効的な活用に繋がるなど、企業の持続的成長に寄与する効果も期待できる。
・災害に強く、環境に優しい生産設備 :刷新する設備では、地震による津波や水害を想定して電気関連設備を全て上層階に配置し、建物周囲には止水板を設置することで緊急時に建物内への浸水を防ぐ構造とするなど、災害 に強い設備を実現する。
また、冷凍設備に環境負荷が極めて低い冷媒を使用するなど、地球環境の保全に配慮した 設計に努めている。
ステラケミファでは今後も引き続き、半導体メーカー各社の需要拡大や技術革新を見据え、高品質製品の安定供給体制強化やユーザー要望に応えることで他社との差別化を図るなど、主力事業の強化に 努めていく。