五洋建設は8月23日、応用技術、ソフトバンクと共同で、BIMモデル上へ建設重機位置をリアルタイムに投影する技術を確立したと発表した。同技術を「五洋建設統合施工管理システム」PiCOMS(ピーコムス)へ実装し大型物流施設建設現場へ適用する実証実験を行い、生産性の向上に貢献出来ることを確認した。
PiCOMSは、五洋建設が建築工事管理の生産性向上と働き方改革を目指し、工事の進捗状況を見える化し、工事の進捗状況だけでなく、品質管理状況、安全管理状況、作業員配置状況などの情報を一元化し、工事関係者間でリアルタイムに共有できる技術。現場への導入を積極的に進めていた。
建設重機を使用する土工事や杭工事における施工管理では、重機の稼働状況を現場巡回して把握し、配置図へ記入する方法が一般的だった。したがって敷地が広く多くの建設重機が稼働する大型工事現場ではこれらの作業に手間と時間がかかることが課題だった。
同技術では、重機位置を高精度測位(RTK測位)により特定し、収集したデータを収納する位置情報サーバーとPiCOMSサーバーを連携させることで、建設重機のリアルタイム位置と工事進捗状況を組合せ、BIMモデル上への表示・可視化を可能とした。可視化された情報は現場事務所や作業員休憩所の大型モニター、各種タブレットに表示することが出来る。また重機の稼働時間の算出も可能とし、工事期間中の重機の位置情報と稼働時間情報が収集される。
最大20台の重機が稼働する現場での杭工事における検証では、関係者間の情報共有のための作業の自動化と現場のリアルな情報に基づいた打合せが可能になることで、現場負担を1/5程度に軽減できることを確認した。
今後、データを蓄積・分析することで重機の配置計画や稼働状況を考慮した効果的な施工計画の立案と、さらなる生産性向上をめざし、各現場へ積極的に展開していく予定。あわせて、実稼働時間から重機CO2排出量を自動算定し「現場CO2排出量の見える化」にも取組んでいく。
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