クラシエ薬品、漢方薬の安定供給に向けて中国に新工場を建設

 クラシエ薬品(東京都港区)は8月2日、中国山東省威海市に中国では二つ目となる新工場を建設すると発表した。新工場は漢方薬の原料となる生薬の刻み工程と原薬であるエキス粉末の製造工程を有し、生薬保管倉庫も併設する。2023年での稼働開始を目指し、国内外の既存工場と合わせてエキス粉末の生産能力の増強を図る。

■新工場建設の背景
 クラシエ製薬は、現在、中国山東省青島市と大阪府高槻市の工場でエキス粉末の製造を行い富山県高岡市の工場で細粒剤や錠剤などの製剤化と最終製品の包装を行っている。高齢化の進展やセルフメディケーションの更なる浸透などで、今後、医療用漢方薬、一般用漢方薬ともに国内の需要が拡大すると考えることから、今回中国においてエキス粉末の製造プラントを増設し、漢方薬の供給体制を増強することにした。

■威海新工場の概要とコンセプト
 最新技術による省人化や効率化を積極的に取り入れ、地球規模の資源・エネルギー事情に配慮した省エネ・CO2排出量の少ない工場を目指す。今後も日本国内における漢方薬の需要は伸びることが予想されることから、更なる増築が可能な拡張性の高いレイアウトとし、高品質の漢方薬原料を安定的に供給する体制を整備致する。また、漢方薬の原料となる生薬保管機能も拡充し、天然物である原料生薬の安定確保を実現する。

建設緒言※1

①建設予定地 :中国山東省威海市臨港区福州路東、江蘇中路南
②建築概要 敷地面積:66,517㎡、延床面積:28,705㎡、建築面積8,090㎡
③生産能力 :エキス粉末最大400トン(年間)
④生薬保管能力:約3,200トン
⑤生産品目:葛根湯エキス、人参養栄湯エキス粉末、補中益気湯エキス等
⑥省エネルギー率:37%削減(フル生産時)
(同様の生産プロセスを持つ既存プラントとの単位生産量当たりの比較)
⑦CO2排出削減率:79.0%削減(I-REC※2100%活用時)
(同様の生産プロセスを持つ既存プラントとの単位生産量当たりの比較)
⑧竣工予定:2023年
⑨本格稼働予定:2023年秋頃
※1:上記は現段階のものであり、変更の可能性がある。
※2:I-RECとは、再生可能エネルギーにより発電された電気の再エネ価値を証書化したもので、取得したI-REC相当分の電力使用量をSBT等の国際的イニシアチブにおいて再エネ電力とみなして報告することが出来るもの。

 詳細は、ニュースリリース