芝浦機械、22年4~6月売上は3.5%増の約265億円、通期予想11.3%増の1,200億円は変更せず

 芝浦機械が7月29日に発表した2023年3月期第1四半期(4~6月)連結業績によると、受注高は632億4百万円(前年同期比132.4%増)、売上高は264億8千4百万円(同3.5%増)となった。損益については、営業利益は4億2千2百万円(同0.2%減)、経常利益は8億6 千8百万円(同122.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2千万円(前年同期:△1億2百万円)となった。

 4~6月期における世界経済は、米国など先進国を中心に回復基調を維持したものの、新型コロナウイルス感染症、中国におけるロックダウン、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響により、部材需給逼迫や エネルギー価格高騰などさらなるサプライチェーンの混乱が生じており、先行き不透明感が一層増している。わが国経済も輸出や生産の持ち直しの動きに足踏みが見られた。

 芝浦機械グループを取り巻く経済環境は、中国におけるロックダウンの影響を受けたものの、前年度より 引き続き設備投資需要が回復基調で推移した。また、世界的に脱炭素化などの社会課題解決に向けた動きが加速していることを背景として、EV、再生可能エネルギー、労働生産性向上などに関連した需要の拡大が見られる。

 このような経済環境のもとで、芝浦機械グループは中期経営計画である「経営改革プラン」に基づき、高収益企業への変革に向けて、組織再編を中核とした経営改革、成長分野に対応した投資の推進、資本効率(ROE)の向上 を目指した財務戦略の実行に取り組むとともに、社会課題を解決する高付加価値商品の創出と高効率な生産の実 現に向けたDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している。また、脱炭素化を背景としたEV需要の高まりに対し、リチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の増産体制構築を進めた。

 芝浦機械2023年3月期第1四半期データ

■セグメント別の概況

<成形機事業>[射出成形機、ダイカストマシン、押出成形機など]

 射出成形機の販売および受注はロックダウンの影響により中国で減少したものの、脱炭素化の動きを背景に北米の中大型電動機が増加したことに加え、経済活動が活発化しているインドで増加した。

 ダイカストマシンは、販売は国内、東南アジアにおける自動車向けが増加した。受注は国内、北米、韓国で自動車向けを中心とした設備投資需要が回復したことにより、増加した。

 押出成形機は、販売は中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が増加したものの、台湾、韓国における光学用シート・フィルム製造装置が減少した。受注はEV関連の設備投資需要の拡大に伴い、中国におけるリチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置が大幅に増加した。

 この結果、成形機事業全体の受注高は530億6千2百万円(前年同期比202.3%増)、売上高は182億5千8百万円(同3.6%増)、営業利益は5億1千万円(同55.0%増)となった。

<工作機械事業>[工作機械(大型機、門形機、横中ぐり盤、立旋盤など)、超精密加工機など]

 工作機械においては、販売は国内における産業機械向けおよび北米におけるエネルギー向けが増加した。受注は中国における風力発電向けおよび北米におけるエネルギー向けが増加した。

 超精密加工機においては、販売は中国における光学系金型向けが減少した。受注は国内における光学系金 型向けが増加した。

 この結果、工作機械事業全体の受注高は78億7千6百万円(前年同期比11.9%増)、売上高は59億2千6百万円(同3.2%増)、営業損失は1億6千9百万円(同:営業利益1億5千8百万円)となった。

<制御機械事業>[産業用ロボット、電子制御装置など]

 制御機械においては、販売は国内における電子制御装置が増加した。受注は国内における電子制御装置が減少した。

 この結果、制御機械事業全体の受注高は19億2千4百万円(前年同期比17.6%減)、売上高は20億5千6百万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は5千3百万円(前年同期は営業損失8千3百万円)となった。

<その他の事業>

  その他の事業全体の受注高は3億4千2百万円(前年同期比27.3%増)、売上高は2億4千3百万円(前年同期比17.4%増)、営業利益は2千万円(同118.0%増)となった。

連結業績予想などの将来予測情報に関する説明

 第2四半期(累計)の連結業績予想については、新型コロナウイルス感染症の広がりに伴う中国のロックダ ウンなどの影響により合理的な業績予想の算定が困難であったことから2022年5月26日の決算発表時において未公表としていたが、現時点において同社が入手可能な情報に基づき、第2四半期(累計)連結業績予想を算定した。なお、通期については、2022年5月26日に公表いたした業績予想(下記)から変更はしていない。

 2023年3月期の見通しについては、売上高1,200億円(前期比11.3%増)、営業利益60億円(同41.6%増)、経常利益54億円(同18.8%増)、親会社株主に帰属す る当期純利益42億円(同12.7%増)を予想している。

 芝浦機械の2023年3月期第1四半期決算短信(開示情報)