ADEKAは7月22日、連結子会社のADEKA KOREA CORP.において、先端半導体メモリ向け高誘電材料「アデカオルセラ」シリーズの生産能力増強を決定したと発表した。
5G通信の拡大やAI、メタバースをはじめとした高度ICT社会の実現に向けて、半導体市場は2030年に1兆ドル規模に成長すると見込まれている。なかでもDRAMは、パソコンやスマートフォン、データセンターなど高度かつ大容量な情報処理が求められる用途で需要が伸長している。また、大容量化や消費電力削減などのニーズを背景にDRAMの微細化が進行しており、これを下支えする先端半導体材料の安定供給が鍵を握っている。
先端DRAMの微細化に欠かせないADEKAの高誘電材料「アデカオルセラ」シリーズは、世界シェア No.1の半導体材料。2021年にADEKA KOREA CORP.全州第二工場内に一貫生産体制を構築するなど、先端製品を迅速かつ安定的に供給するための取り組みを推進してきた。今回の増強により生産能力を2倍以上に引き上げ、より万全な供給体制を構築する。
半導体材料のさらなる技術革新が求められるなかで「アデカオルセラ」シリーズは、現行世代からさらに数世代にわたって使用される見通しであり、ADEKAグループの利益拡大に貢献することを見込んでいる。
ADEKAグループは最先端EUVフォトレジスト向け光酸発生剤の能力増強(千葉)、先端ロジック半導体向け材料の新プラント建設(台湾)など、先端半導体分野へ積極的に投資している。
今後も日本をはじめ、韓国、台湾、米国での研究開発・生産・販売体制の強化・相互連携により、高度ICT社会の実現に貢献していく。
<生産能力増強の概要>
所在地:ADEKA KOREA CORP. 全州第二工場(韓国 全羅北道 完州郡)
投資金額:23億円
生産能力:現行の2倍以上
着工:2022年11月予定
営業運転開始:2024年度中予定