日立エナジー、インドのアダニグループから クダス・ムンバイ間連系線向け高圧直流送電(HVDC)システム一式を受注

・自励式 HVDC システム「HVDC Light®」により、ムンバイにおける電力安定供給を支援

 日立エナジーは7月22日、インドのグジャラート州を拠点とする複合企業アダニグループのグループ会社である Adani Electricity Mumbai Infra Limited(アダニ エレクトリシティ ムンバイ インフラ社)から、インド西部マハーラー シュトラ州クダスムンバイを結ぶ連系線の高圧直流送電(HVDC)システム一式を受注したと発表した。今回の受注は、 日立エナジーの自励式 HVDC システム「HVDC Light®」を使用する。

 世界的な電力需要の増加に伴い、特に人口密集地域では、送電線設置のための用地確保が困難な状況となっている。人口 2,000 万人を超える世界有数の人口密集都市であるムンバイでは、2022 年の ピーク需要 3,850W のうち約 2,100MW を市外からの供給でまかなっており、電力需要のさらなる増加に対応するための新たな送電線の設置が求められている一方で、用地確保が課題となっている。

 日立エナジーは、インドにおいて 1989 年にヴィンディヤチャル社と共同で HVDC 技術を導入して以来、イ ンド中央部のライガルと南部のパガリアを結ぶライガル-パガリア UHVDC 送電線や、多端子直流送電シ ステムである北東アグラ・リンクなど 6 つのプロジェクトを受注している 。

 今回クダス・ムンバイ間連系線向けに日立エナジーが提供する HVDC Light®は、大容量の電力制御が 可能なコンパクトな送電システム。同HVDC 連系線においては、50 km の地中ケーブル の活用により、 サッカー競技場 320 面分に相当する約 2.3km 2 の用地の節減が可能となる。また、市外からの供給量 の半数にあたる最大 1,000MW の新たな電力供給が可能となり、既存の送電インフラが強化されるととも に、アダニによる同地域における電力供給の信頼性が確保される。

 日立エナジーの HVDC 事業統括責任者アンドレアス・ベルトー グループ シニア バイスプレジデントは、 「世界がより持続可能になるにつれて、 電力はエネルギーシステム全体の基幹となります。日立エナジーの HVDC システムは、電力の需要が増加しているものの、送電線設置のためのスペースが限られているムンバイ のような都市においても大容量の電力を供給することができます」と述べている。

 ムンバイは今年初め、南アジアで初めてカーボンニュートラルな都市をめざす「気候変動対策計画」 を発表した。同計画では、ムンバイのエネルギーグリッドの脱炭素化、エネルギー効率が高く気候変動に強い インフラの構築、低炭素モビリティソリューションの推進等、六つの分野に重点を置いている。

■日立エナジーの HVDC について
 日立エナジーの HVDC ソリューションは、HVDC 変換バルブおよびデジタル制御プラットフォーム MACH、 変換用変圧器、高電圧開閉装置、システム調査、設計・エンジニアリング、供給、据付管理、試運転に 関する世界トップレベルの専門知識を結集したもの。 HVDC Light は、日立エナジーが開発した変換技術で、変換所がコンパクトかつ電力損失が極めて低い という特長を有しており、各国送電網の相互連系、再生可能エネルギーの連系、陸上から洋上への電力 供給など、多くの場面で活用されている。 日立エナジーは、約 70 年前に商用 HVDC 技術を開発し、以来、世界の HVDC プロジェクトの半分以 上を納入してきた。

■日立エナジーについて
 日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーです。さまざまな分野のお客さまに、バリューチェーン全体にわたる革新的なソリューションとサービスを提供すると ともに、お客さまやパートナーとの協創により、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換に必要な、デ ジタル技術を活用した変革を実現します。日立エナジーは、社会価値、環境価値、経済価値のバランスを 取りながら、世界でより持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムを構築する取り組みを進 めています。スイス・チューリッヒに本社を置き、全世界 90 カ国に約 38,000 人の従業員を擁しており、140 カ国以上の導入実績と、約 1 兆円の事業規模を有しています。

日立製作所について
 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。金融・官公庁・自治体・通信向け IT サービスやお客さまの DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エ ネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘ ルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルで つなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステム」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じてお 客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長 をめざします。2021 年度(2022 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 2,646 億円、2022 年 3 月末時点 で連結子会社は 853 社、全世界で約 37 万人の従業員を擁しています。

 ニュースリリース
 *リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。