㈱竹内製作所が7月12日に発表した2023年2月期第1四半期連結累計期間(2022年3月〜5月)業績によると、売上高は424億1千4百万円(前年同期比27.2%増)となった。利益面については、原材料価格及び運搬費の増加等の減益要因はあったものの、販売台数の増加に伴う売上高の増加、製品価格の値上げ、及び円安影響等により吸収し、営業利益は53億5千5百万円(同27.4%増)となり、経常利 益は57億7千6百万円(同33.7%増)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は、税金費用を15億4千3 百万円計上したことにより、42億3千3百万円(同34.2%増)となった。
第1四半期の世界経済は、世界的なモノ不足が続いていたなか、ロシアのウクライナ侵攻に対する大規模な経済制裁によって、物流混乱、部品・資材・エネルギー不足と物価高に拍車がかかった。インフレの連鎖がこのまま続くと、企業活動にも消費活動にもマイナスの影響を与え かねず、先行きはより不透明になった。
このような環境下にあっても、製品需要は欧米ともに好調を維持しており、竹内製作所 グループでは2022年4月に米国サウスカロライナ州に工場を取得し、旺盛な製品需要に応えるべく、2022年内の稼働開始に向けて鋭意取り組んでいる。また、電子部品の調達に関しては、供給量が増加に転じたことで、欧米地域で保管されていた仕掛品を完成品に仕上げて、顧客に即時販売できたこともあり、ミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの 販売台数は前年同期に比べ増加した。
■セグメント別の経営成績
(日本) 日本セグメントは、売上高のほとんどが欧州ディストリビューター向けの販売で占められている。欧州では、ロシアのウクライナ侵攻や世界的な原材料価格の高騰等を背景とした物価上昇の懸念から、政策金利が引き上げられるなど先行きは不透明な状況にあったが、製品販売は引き続き好調に推移した。この結果、欧州ディストリビューター向けのミニショベル及び油圧ショベルの販売台数は増加し、売上高は169億3百万円(前年同期比25.0%増)となった。セグメント利益は、原材料価格及び運搬費の増加等の減益要因はあったものの、販売台数の増加に伴う売上高の増加、製品価格の値上げ、及び円安影響等により吸収し、39億6千9百万円(同 1.8%増)となった。
(米国) 米国セグメントでは、住宅市場において金利上昇と木材等の材料不足が懸案事項ではあるものの、製品販売は引き続き好調に推移した。この結果、米国でのミニショベル、油圧ショベル及びクローラーローダーの販売台数は大きく増加し、製品価格の値上げ、及び円安影響等により、売上高は201億4百万円(前年同期比44.3%増)となり、セグメント利益は23億9千2百万円(同95.2%増)となった。
(英国) 英国セグメントでは、製品需要は好調を維持したものの、現地在庫の不足により、販売台数は前年同期に比べて減少したが、製品価格の値上げや円安影響により、売上高は35億4百万円(前年同期比2.8%増)となり、セ グメント利益は3億5千8百万円(同19.2%増)となった。
(フランス) フランスセグメントでは、製品需要は好調を維持したものの、現地在庫の不足により、販売台数は前年同期に比 べて減少した。製品価格の値上げや円安影響はあったものの、売上高は18億5千万円(前年同期比24.8%減) となり、セグメント利益は1億4千1百万円(同8.5%減)となつた。
(中国) 中国セグメントでは、東南アジア向けに製品を販売したこと等により、売上高は5千1百万円(前年同期比 376.6%増)となったが、原材料価格の高騰により、セグメント損失は7百万円(前年同期は2千6百万円の セグメント利益)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
2023年2月期通期の連結業績予想については、2022年4月12日に公表した業績予想を下記のとおり修正した。
売上高1,650億円(前年同期17.1%増)、営業利益161億円(同9.4%減)、経常利益166億円(同8.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益122億円(同8.6%減)。
なお、業績予想における第2四半期以降の為替レートは、1米ドル=128円、1英ポンド=157円、 1ユーロ=135円、1人民元=19.10円を前提としている。
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