日立エナジー、中国の洋上ウィンドファーム向けに 66kV 変圧器と 72.5kV 開閉装置を受注

・再生可能エネルギーの効率的な連系とグリーン電力の供給を支援

 日立エナジーは7月13日、中華人民共和国(以下、中国)の洋上風力発電設備製造会社である中国船舶集団 海装風電から、浙江省寧波市象山の北東海岸沖における浙江象山土渓(トシ)洋上風力発電プロジェク ト向けに、洋上向け製品群「OceaniQTM 」の一つである洋上風力タービン向け変圧器「WindSTARTM 」と開 閉装置「PASS(Plug and Switch System) M00-Wind」を受注したと発表した。同プロジェクトは、中国の発電事業者である中国広核集団が開発を進める、発電容量 280MW のプロジェクトで、8MW 風車 35 基を設 置し、66kV の海底ケーブルで陸上昇圧変電所に送電する。日立エナジーは、WindSTAR と PASS M00-Wind の提供を通じて、再生可能エネルギーの効率的な連系と、地域の各家庭へのグリーン電力の供給を支援する。

 中国では近年、風力発電が急速に発展し、総発電容量の 14% *1 を占めている。同国では、豊富な洋上風力資源を活用するため、洋上風力発電の導入拡大と効率性向上に向けて、設備容量の増加と 送電電圧の高電圧化が進んでいる。

*1 :出典「What the 2021 China Wind Power Boom Means for the World」(https://energytracker.asia/what-the-2021-china-windpower-boom-means-for-the-world/)

 日立エナジーは、66kV の変圧器 WindSTAR と 72.5kV の開閉装置 PASS M00-Wind を提供すること で、より長距離の送電や電力損失の削減、洋上ウィンドファームの大容量化と高信頼化を支援する。

 WindSTAR と PASS M00-Wind は、ともに洋上環境の課題に対応し、風力タービン内の限られたスペー スに納まるように特別に設計されているほか、強い振動、急な揺れ、腐食、塩水のミストへの耐久性を有している。WindSTAR は、エステル系絶縁液の使用により、環境効率と火災安全性を実現している。 PASS M00-Wind は、通常 33kV で運用される風車間の集電を最初に 66kV で可能とした開閉装置で、 デジタルモータードライブ装置や遠隔監視・診断用の先端技術を内蔵したローカル制御盤と統合することが できる*2 。

*2:2020 年 12 月 18 日ニュースリリース「日立 ABB パワーグリッド社が、振動や急な揺れに対する耐久性を備えた洋上風力発電機向け 72.5kV 開閉装置「PASS M00-Wind」の提供を開始」(https://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2020/12/1218.html)

 日立エナジーの中国担当役員である張金泉(ジャン・ジンカン)氏は、「日立エナジーは、世界的な技術リーダ ーとして、洋上風力発電システム特有の厳しい洋上環境に耐え、大規模な再生可能エネルギーを連系する ための、変圧器や高電圧製品を提供しています。中国におけるクリーンエネルギー開発を共同で加速させる本プロジェクトにおいて、66kV の電圧における先進的なソリューションをお客さまと共に展開できることを嬉し く思います。」と述べている。

■浙江象山土渓洋上風力発電プロジェクトについて

 浙江省は洋上風力資源が豊富で、その連系に適した送電網を整備している。同ウィンドファームは、 浙江省の主要な投資プロジェクトとして 2022 年末までに運転を開始する予定であり、同省によると、年間 発電量は約 8 億 4,000 万 kWh で、有害ガスやばい煙の排出が約 57 万トン *3 削減される。浙江省は、豊富な風力資源を最大限に活用することで、電力需給バランスと同地域のエネルギーミックスを最適化し、 中国の 2060 年カーボンニュートラル目標に大きく貢献する。

*3 :出典「Geological Survey of Xiangshan Tuici Offshore Wind Farm Project of CGNPC Completed (http://www.xiangshan.gov.cn/art/2022/6/20/art_1229054127_58979446.html)」

■日立エナジーについて

 日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーで す。さまざまな分野のお客さまに、バリューチェーン全体にわたる革新的なソリューションとサービスを提供すると ともに、お客さまやパートナーとの協創により、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換に必要な、デ ジタル技術を活用した変革を実現します。日立エナジーは、社会価値、環境価値、経済価値のバランスを 取りながら、世界でより持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムを構築する取り組みを進 めています。スイス・チューリッヒに本社を置き、全世界 90 カ国に約 38,000 人の従業員を擁しており、140 カ国以上の導入実績と、約 1 兆円の事業規模を有しています。

 詳しくは、ウェブサイト(https://www.hitachienergy.com/jp/ja)をご覧ください。

■日立製作所について

 日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。 金融・官公庁・自治体・通信向け IT サービスやお客さまの DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エ ネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、産業流通、水インフラ、ヘ ルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルで つなぐ「コネクティブインダストリーズ」と、自動車・二輪車の分野で先進技術を提供する「オートモティブシステ ム」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じてお 客さまや社会の課題を解決します。グリーン、デジタル、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2021 年度(2022 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 2,646 億円、2022 年 3 月末時点 で連結子会社は 853 社、全世界で約 37 万人の従業員を擁しています。 詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。

 ニュースリリース

 *リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。