ダイキン工業は7月7日、ポーランド共和国ウッチ県のクサベルフ工業団地に3億ユーロ(1ユーロ125円換算で375億円)を投資し、ヒートポンプ式暖房機の新工場を設立すると発表した。欧州で急増するヒートポンプ式暖房機の需要に応える生産拠点として、2024年7月に稼動を開始する予定。
欧州のヒートポンプ式暖房機市場は、過去10年間で年平均10%以上の成長が続き、2021年の販売台数は100万台に達した。2050年までにEU域内の温室効果ガス排出量ゼロをめざす欧州グリーンディール政策により、ヒートポンプ式暖房機の普及がさらに加速しており、2025年には少なくとも年間300万台が販売される市場へと拡大が見込まれている。
化石燃料を使用する燃焼暖房が主流だった欧州において、ダイキンは2006年にいち早く電気式のヒートポンプ暖房機の販売を開始し、市場の開拓につとめてきた。これまで欧州市場のリーディングカンパニーとして、各国で品揃えを充実させ顧客のニーズに応えるとともに、拡大する需要に対しては既存の工場において設備投資や雇用の拡大により生産能力の増強を図ってきた。
今回、新工場を建設するクサベルフ工業団地は、ポーランドの中央に位置し、ドイツをはじめ欧州市場全域へのアクセスも良く、部品調達や熟練技術者などの雇用が行いやすい地域。ドイツ、ベルギー、チェコに次ぐ欧州の新たな生産拠点として、ポーランドに新工場を設立することにより、2025年には生産能力を現在の4倍に拡大し、急成長するヒートポンプ式暖房市場において、製品を安定供給できる生産体制を確立する。
ダイキン工業は、戦略経営計画「FUSION25」において、欧州をヒートポンプ暖房事業拡大の最重要地域と位置づけている。欧州でヒートポンプ式暖房機を普及拡大させることで、環境負荷の低減によるサスティナブル社会への貢献に取り組んでいく。