ヤンマー、2021年度売上は11.4%増の8,714億円、22年度予想は6.7%増の9,300億円

 ヤンマーホールディングが6月29日に発表した2022年3月期(2021年度)連結業績によると、売上高は8,714億5,300万円(前期比11.4%増)、営業利益362億1,700万円(同67.3%増)、経常利益489億9,100万円(同54.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益367億7,800万円(同100.7%増)となった。また、連結売上高に占める海外売上高は前年度(3,948億円)に比べ22.6%増加して4,839億円となり、海外売上高構成比は55.5%となった。

 ヤンマー2021年度データ

 2021年度における世界経済の成長率は、半導体の需要ひっ迫や各国におけるロックダウンによる景気後退や物流網の混乱等新型コロナウイルスに端を発する不透明な状況が依然として継続しているが、前年度のマイナス成長からの反動で高水準となった。

 欧州では新型コロナウイルス感染拡大前の2019年第4四半期の水準に回復し、米国では個人消費の回復により前年比大幅な成長となった。

 中国では、ゼロコロナ政策により個人消費は低迷しているものの、堅調な輸出もあり前年度の反動で高めの成長率となった。日本経済においては断続的な新型コロナウイルスへの蔓延防止措置の発動により2019年度の水準への回復途上となっている。

セグメント別の概況

<産業用機械事業>

 同セグメントは、農業機械、建設機械、ガスヒートポンプ並びに常用・非常用発電機により構成。

 農業機械の国内市場は、コロナ禍で落ち込んだ前年度からトラクターを中心に需要が持ち直した。海外市場は、中国での農機購入時の補助金の継続や南米での市場開拓が進んだことがあり、売上高は過去最高となった。

 建設機械の国内市場は、比較的新型コロナウイルス感染拡大による影響の薄かった前年度に比較して需要は微減した。一方で海外市場は、欧米を中心に前年度後半以来の需要の回復が続く状況下で需要に供給が追い付かずシェアを落としたが、売上高としては円安の影響もあり前年度実績を大きく上回った。結果として国内海外合計で前年度実績を上回った。

 ガスヒートポンプ及び発電機の国内市場は、新型コロナウイルス感染拡大に端を発する部品供給困難によりガスヒートポンプの供給が減少した。一方で非常用発電機は、引き続き防災意識の高まり等により需要は高止まりとなった。また、海外市場は、欧米の堅調な需要により売上高が伸長しました。結果として、売上高は過去最高だった前年度を上回り、過去最高となった。

<内燃機関及び関連機器事業>

 同セグメントは、産業用エンジン、舶用エンジン、コンポーネントにより構成。

 小形産業用エンジンは、中国市場の建設市場の冷え込みにより建設機械向けの需要が急減速したものの、北米の多用途作業車両市場等が堅調であり、売上高が前年度を上回った。

 舶用エンジンにおいては、コロナ禍からの回復で物流が活発化している影響で製品売上台数が伸び、売上高は前年度を上回った。

 トランスミッション、ギア、工作機械を中心としたコンポーネントにおいては、国内及び北米市場での需要が回復し、円安の影響もあり売上高は前年度を上回った。

今後の見通し

 産業用エンジン・建設機械の欧米市場向け、海運市況の活況を受けた舶用エンジンの販売が好調に推移し、また前年度からの円安傾向の継続により増収を見込む一方で、世界的な材料費、物流費の高騰等の影響により減益を見込む。2022年度の取組みとしては舶用水素燃料電池システムや水素エンジン、産業機械用バッテリー動力の実用化に向けた開発を加速させる等将来の脱炭素の実現に向けた取り組みを強化していく。

 2022年度(2023年3月期)の連結業績見通しについては、売上高9,300億円(前期比6.7%増)、 営業利益350億円(同3.4%減)、経常利益400億円(同18.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益280億円(同 23.9%減)を予想している。

 なお、業績の見通しの前提となる為替レートについては、1米ドル=120円、1ユーロ=128円を想定している。

 ニュースリリース

 ヤンマーホールディングスの2022年3月期決算短信