コマツ、米カミンズと鉱山向けダンプトラックのゼロエミッション技術の開発推進で協議開始

 コマツは6月29日、米国の大手エンジンメーカーであるカミンズと、水素燃料電池ソリューションを含め、鉱山向けダンプトラックのゼロエミッション動力源の技術開発について協議を進めていくことに合意し、基本合意書を締結したと発表した。

 カミンズとコマツは、建設・鉱山機械のディーゼルエンジン事業において長年の協業関係を築いており、両社は世界の鉱山現場にさまざまな技術やソリューションを提供してきた。

 今回の協議は、2021年8月にコマツが公表した、いかなる動力源でも稼働可能なコンセプト「パワーアグノスティックトラック」の開発の一部を担うものであり、鉱山の顧客の現場の課題である温室効果ガス(GHG)を削減するとともに、カーボンニュートラルへの貢献を目指すもの。カミンズの保有する、バッテリー、燃料電池システム、水素生成システムなどの幅広い動力源に関する技術や知見と、コマツの保有する、鉱山機械の開発技術および鉱山オペレーションの最適化ソリューションについての知見を活用し、最初のターゲットとして、鉱山向けダンプトラックの動力源の技術開発を検討していく。

 コマツは、新たな3カ年の中期経営計画において、2030年までに、製品使用により排出されるCO2の50%削減(対2010年比)、生産によるCO2排出の50%削減(対2010年比)という経営目標とともに、2050年カーボンニュートラルをチャレンジ目標としている。従来、ハイブリッド油圧ショベル、バッテリー駆動式ミニショベルなど、環境負荷低減に配慮した商品・サービス・ソリューションを提供してきた。また、2021年には、鉱山オペレーションにおけるGHG削減を加速するため、大手鉱山企業とともに「コマツGHGアライアンス」を発足し、ゼロエミッション達成を支援する新たなソリューションの1つとして、「パワーアグノスティックトラック」の2030年までの商用導入に向けて活動を進めている。

 今回の協議は、こうした取り組みの一環であり、顧客の環境対応ニーズに応じた鉱山向けゼロエミッショントラックを提供するため、今後もコマツは、あらゆる可能性を追求していく。

[カミンズの概要]
社名: Cummins Inc.
設立: 1919年
所在地: 米国インディアナ州
事業内容: ディーゼルエンジン、代替燃料エンジン、発電機などの動力源や、各種関連コンポーネントなどの生産、販売。

[コマツの概要]
社名: コマツ(株式会社小松製作所)
設立: 1921年
所在地: 日本・東京都港区赤坂
事業内容: 建設・鉱山機械、ユーティリティ(小型機械)、林業機械、産業機械などの生産、販売。

 ニュースリリース(コマツ)

 ニュースリリース(カミンズ)