・プロユース仕様:作業の省力・軽労化により、労働力不足を解消し高能率な草刈作業を実現
IHIは6月27日、グループ会社である㈱IHIアグリテック(長野県松本市、以下、IAT)が、国内初となる人が乗用せずに、リモコンで操作できる小型ハンマーナイフ式草刈機を販売開始すると発表した。
販売開始する「リモコン小型ハンマーナイフモア SH950RC」は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(以下、農研機構)、福島県農業総合センターと共同で開発した技術成果を使用したもので、プロユース仕様の機能を有した製品。リモコン操作で、1mを超える雑草の繁茂した急勾配の斜面(最大45°)で作業を行うことができるハンマーナイフ式の草刈機であり、市販の草刈機(リモコン式 、自走式、刈払機)の2倍以上の作業能率で草刈りを行うことができる。
■開発背景
急勾配の斜面における草刈作業は刈払機を用いて人手により行われる場合が多く、傾斜面での作業となるため姿勢が不安定で、作業中の転倒・転落事故が多く発生していた。また、中山間地域は平地に比べて斜面等耕作地周辺の面積割合が高く、その管理作業が作業者の大きな負担になっていた。
この状況に伴い、中山間地域の草刈作業の機械化に関して様々な研究開発を行ってきた農研機構に対し、作業の省力・軽労化に関する開発・実用化の要望が寄せられた。そこでIATは、農研機構と福島県農業総合センターでコンソーシアムを結成し、2019年から農研機構 農業機械研究部門が実施する「農業機械技術クラスター事業」で実用化に向けた共同研究に取り組んできた。IATは、同事業で開発した技術成果を使用し、これまで日本国内で大型ハンマーナイフ草刈機の開発・販売を手掛けてきた経験を活かして小型化かつ遠隔操作(リモコン操作)を可能にしたハンマーナイフ草刈機の設計・製作に成功した。
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